【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 48,057.75  △497.46 (12/10)
NASDAQ: 23,654.16  △77.67 (12/10)

1.概況

米国市場は主要3指数が揃って上昇となりました。FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が公表され、市場予想通り0.25%の利下げが決定されました。FOMC参加者の政策金利見通しでは2026年の利下げは0.25%で予想回数は1回となり、こちらも市場予想に沿ったものでした。また、バランスシートの水準維持を目的とした短期国債の買入れ方針を発表し、金融市場の流動性緩和が好感され、株式市場を押し上げました。

ダウ平均は13ドル高の47,573ドルで取引を開始すると序盤は下げに転じました。早々に反転するとその後は、中ごろまで47,600ドルから47,900ドル近辺で小動きとなりました。終盤にかけて、上げ幅を拡大し、最終的には497ドル高の48,057ドルで取引を終えました。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は77ポイント高の23,654ポイントで続伸、S&P500株価指数は46ポイント高の6,886ポイントで反発し取引を終えました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち9業種が上昇しました資本財・サービス、素材が1.8%高となりました。一方で公益事業と生活必需品が小幅安となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が上昇しました。アナリストが「買い」で投資判断を開始したナイキ[NKE]が3.9%高で構成銘柄中の上昇率トップとなりました。キャタピラー[CAT]やジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]など計5銘柄が3%台の上昇となりました。一方でマイクロソフト[MSFT]が2.7%安、ウォルマート[WMT]が1.6%安となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、ウーバー・テクノロジーズ[UBER]がテスラ[TSLA]やウェイモが台頭し現在のライドシェアサービスの脅威となるとアナリストが指摘したことで5.5%安となりました。一方でテスラは1.4%高となりました。また、電力のGEベルノバ[GEV]は業績見通しの上方修正と株主還元の拡大を発表したことで、15.6%高と大幅高となりました。

5.為替・金利等

長期金利は、前日比0.04%低い4.15%となりました。19日朝のドル円は156円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

FOMCの結果を素直に受け取った米国市場は主要3指数が揃って上昇しました。これを受けて、日本市場でも買いが優勢でのスタートが見込まれます。また、主要な半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は高値を更新し取引を終えており、日本の半導体銘柄にも波及する可能性があるでしょう。後場は明日の明け方に発表予定のブロードコム[AVGO]の決算発表などを控え、小動きでの展開になると考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)