【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 45,636.90 △71.67 (8/28)
NASDAQ: 21,705.16 △115.02 (8/28)
1.概況
前日の米国市場は主要3指数が揃って3日続伸となりました。朝方に発表された2025年4~6月期の米実質GDP(国内総生産)改定値は前期比年率3.3%増と、速報値の3.0%増から上方修正されるなど、良好な経済指標が株式市場を支えました。ダウ平均は、15ドル高の45,581ドルで取引を開始するも、前日に決算を発表したエヌビディア[NVDA]が売られるなどから、序盤は弱含みました。しかし中ごろからは持ち直し、71ドル高の45,636ドルで取引を終え、3日続伸となり最高値を更新しました。
また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は115ポイント高の21,705ポイントで取引を終え、3日続伸となりました。S&P500株価指数は20ポイント高の6,501ポイントで取引を終え、こちらも3日続伸となり2日連続で最高値更新となりました。
2.経済指標等
第2四半期の米実質GDP改定値は前期比年率で3.3%増加となり、市場予想と前回の3.0%から上方修正されました。新規失業保険申請件数は前週比5千件減の22万9千件となり、労働市場の改善が示されました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち7業種が上昇しました。コミュニケーション・サービスやエネルギーなど1%未満の小幅高となりました。その一方で、4業種が下落し、ともに1%未満の下落となりました。下落率トップは公益事業で0.9%下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は、30銘柄中16銘柄が上昇となりました。セールスフォース[CRM]が1%台後半の上昇となり、構成銘柄中の上昇率トップで取引を終えました。その他、シスコシステムズ[CSCO]やアメリカン・エキスプレス[AXP]、アマゾン・ドットコム[AMZN]が1%以上上昇しました。
一方で、14銘柄が下落し、メルク[MRK]は1%程度下落しました。その他、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]やエヌビディア[NVDA]など13銘柄が1%未満の小幅な下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、ソフトウェアのスノーフレイク[SNOW]が第2四半期決算を発表し、市場予想を上回るEPS(1株当たり利益)であったほか、先行きの見通しも引き上げたことが好感され20.3%上昇となりました。食品加工メーカーのホーメル・フーズ[HRL]は直近四半期決算で増収増益を発表も、原価率の高まりと年内もコストが高止まりする見通しを示し、13.1%下落となりました。テスラ[TSLA]は欧州向け売上が、前年比40%減と伝わったことが嫌気され1.0%下落となりました。
5.為替・金利等
長期金利は、前日から0.03%低い4.20%となりました。29日朝のドル円は146円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
発表された経済指標が好感されダウ平均とS&P500株価指数が最高値を更新し、取引を終えました。これを受けて、日本市場も買いが優勢でのスタートが予想されます。
一方で、クックFRB(米連邦準備制度理事会)理事の解任を巡り、ドルが売られ、円高に推移していることは下押し材料と考えられるほか、今晩発表の米PCE価格指数の内容を見極めたいといった思惑から後半は動きづらい展開が予想されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
