モトリーフール米国本社– 2025年8月23日 投稿記事より

今後、株価の上値余地はあるか

株価が大きく上昇すると、「今からでも投資する価値はあるのか」と不安になるでしょう。これは、2025年好調を維持している2つのテクノロジー大手企業であるマイクロソフト[MSFT]とショッピファイ[SHOP]にも言えることです。2025年初来でマイクロソフトは20%上昇し、ショッピファイは27%上昇しています。今後、まだ株価の上値余地はあるのでしょうか?筆者の答えは「イエス」です。両社ともに今後も優れたリターンを期待できるでしょう。

クラウド事業が力強い成長を牽引:マイクロソフト[MSFT]

マイクロソフトは全ての事業部門で好調です。2025年6月30日に終了した第4四半期の売上高は、前年同期比18%増の764億ドルでした。収益面では、1株当たり利益(EPS)は前年同期比24%増の3.65ドルとなりました。予想通り、この力強い成長を牽引したのはクラウド部門です。Azureを含むクラウドサービス部門の売上高は、前年同期比39%増と、前年の30%増を大幅に上回りました。

マイクロソフトは、クラウド業界における最大手の競合であるアマゾン・ドットコム[AMZN]との差を着実に縮めています。加えて、この数字は、同社に依然として大きな成長余地があることを示しています。マイクロソフトは、当期末時点での契約売上高が3,680億ドルに達し、前年同期比37%の増加となりました。

もしマイクロソフトがクラウドの機会を逃し、オペレーティングシステム(OS)事業に注力し続けていたなら、今日の姿はまったく違っていたでしょう。レガシ-であるOS事業も堅調ではありますが、現在ではクラウドコンピューティングと人工知能(AI)がマイクロソフトの最重要成長ドライバーとなっています。これら2つの分野は今後も長期的に拡大が続くと見込まれるでしょう。

また、これらはマイクロソフトが経営の巧みさと革新性を兼ね備えた、将来性豊かな企業であることを物語っています。ブランド力や切り替えコストによる参入障壁も強固であり、今後5年以上にわたり投資家に競争力のあるリターンを提供し続ける可能性が高いと考えられます。

さらに、マイクロソフトは配当株でもあります。一見すると予想配当利回り0.7%は控えめに映りますが、その裏には盤石なキャッシュフロー基盤があります。現金配当性向は33.6%と保守的で、年間配当を十分に賄える資金余力があります。実際に、過去10年間で配当額を130.6%引き上げてきました。

マイクロソフトは、長期投資のポートフォリオに組み入れられる「成長株」かつ「配当株」の代表格であり、投資家にとって魅力的な選択肢であるといえるでしょう。

事業改革が成功し、再び成長軌道にのるショッピファイ[SHOP]

ショッピファイは2021年末に過去最高値を記録した後、約1年間にわたって低迷が続きました。しかし2023年以降は事業改革が功を奏し、再び成長軌道に乗っています。具体的には、10年以上据え置いていた価格を引き上げ、高コストの物流事業を切り離しました。その結果、売上の成長が回復し、利益率も拡大、さらに純利益を計上できる四半期も増えてきました。

2025年第2四半期の業績はその好例です。売上高は前年同期比31%増の27億ドル、純利益は9億600万ドルと、前年同期の1億7,100万ドルを大幅に上回りました。ショッピファイのフリーキャッシュフロー(FCF)は26.7%増の4億2,200万ドルに拡大し、FCFマージンは16%を維持しました。

今後も、eコマース市場の拡大に伴いショッピファイのサービス需要は伸び続けると予想されます。同社はすでにオンラインストア構築支援の分野でリーダーとしての地位を確立しています。ショッピファイのプラットフォームは、加盟小売業者が簡単に事業を立ち上げられるようにし、現代の商取引のニーズに最適化された豊富なサービスを提供しており、加盟小売業者が本業の事業運営に集中できるよう支援しています。

その結果、ショッピファイの顧客数は着実に増加を続けており、米国eコマース市場における流通取引総額(GMV)ベースのシェアは12%となっています。さらに、切り替えコストとネットワーク効果による競争優位性も強みとなっています。ショッピファイは「100年企業」を目指しており、その長い旅は、順調なスタートを切っていると考えられます。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の記者Prosper Junior Bakinyはアマゾンとショッピファイの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はアマゾン、マイクロソフト、ショッピファイの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は以下のオプションを推奨しています。マイクロソフトの2026年1月満期の395ドルコールのロングとマイクロソフトの2026年1月満期の405ドルコールのショート。モトリーフールは情報開示方針を定めています。