今週は米国での重要な経済指標が目白押し
今週は米国で物価、消費、景況感など重要な経済指標の発表が相次ぐ。14日に生産者物価指数、15日に消費者物価指数、NY連銀製造業景気指数、16日に週次の新規失業保険申請件数、小売売上高、フィラデルフィア連銀景況指数、17日に住宅着工件数が発表される。先週末に発表された雇用統計が米国経済の底堅さを示す結果となりFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ期待が後退、米国株式市場は大幅安となった。その直後だけに今週の経済指標が市場の予想を上回る強いものとなると、米国株相場は本格的な調整局面へと向かう公算が高い。
米国企業決算の先陣を切る金融株に注目
そのカギを握るのが米国金利の動向だ。先週の米長期金利は一時4.7%台後半まで上昇し、2023年11月以来、約1年2ヶ月ぶりの高水準をつけた。20日にトランプ大統領の就任を控え、いったんはポジション調整の動きとなってもおかしくないが、前述の経済指標次第だろう。
そうした米長期金利の上昇に連れ高して、国内の金利も上昇している。日本の10年債利回りも一時、1.2%まで上昇し、2011年5月以来、およそ13年8ヶ月ぶりの高水準を付けた。日銀の利上げスタンスと相まって、国内金利の上昇は日本株の足をひっぱるネガティブな材料だ。今週は14日に日銀の氷見野副総裁の講演予定されており、追加利上げを示唆するような発言があると、一段と金利上昇に拍車がかかるだろう。むろん、為替も円高に振れる可能性があり、注視したい。
米国では10-12月期の決算発表が始まる。例によって金融が先陣を切る形で、15日にバンク・オブ・ニューヨーク・メロン[BK]、ブラックロック・ファンディング[BLK]、JP モルガンチェース[JPM]、ウェルズ・ファーゴ[WFC]、ゴールドマン・サックス[GS]、シティグループ[C]、16日にバンク・オブ・アメリカ[BAC]、モルガン・スタンレー[MS]などが決算を発表する。トランプ次期政権の規制緩和で、これら金融には大きな恩恵があると期待されている。好決算となれば20日の大統領就任式を前に先回り買いが入るだろう。
米国株ではないが16日には半導体関連株に影響を及ぼす台湾のTSMCの決算発表があり、これにも大きな注目が集まる。
日本のマーケットはNISA経由の押し目買いが下値を支えるだろう
今週は日経平均は3万8000円台からの取引開始となることが予想される。材料が盛りだくさんのなか、3万8000円台で踏みとどまることができるか重要な局面だ。ただ、新年がスタートして日が浅いため、NISA経由の押し目買いが下値を支えるだろうと見ている。
予想レンジは3万8100円~3万9200円とする。