日本にとってのトランプ関税は17日の日米政府間交渉がヤマ場

今週も荒い値動きが続きそうだが、それでも先週よりは落ち着いてくるだろう。後述するようにハイテク株が買い戻される展開があると思われる。

震源元であるトランプ関税は、とりあえず出るものは出たという状況で、今後は個別のディールに注目が移る。日本にとっては17日に行われる予定のベッセント米財務長官と赤沢亮正経済財政・再生相による日米政府間交渉がひとつのヤマ場である。米国から円安是正の要求が出されるかが大きな焦点のひとつ。市場の思惑が高まり円高圧力がかかりやすい。

「トランプ関税は、とりあえず出るものは出たという状況」と前述したが、この週末のニュースとして、トランプ米政権が相互関税の対象からスマートフォンなどを除外したことが分かったと日経が報じている。パソコンや半導体製造装置、データセンターに不可欠な記憶装置も除外した。iPhoneなどの大幅な値上がりを回避し、消費者の反発を抑える狙いであるのは明白だ。先日の90日間の関税の猶予など、トランプ政権の関税政策は早くも修正を迫られている。こうした現実路線への妥協を市場は好感するだろう。特に半導体関連株などハイテク株の買戻し材料になると考える。

日米経済指標、決算発表に注目

注目の経済指標として国内では、18日に3月消費者物価指数の発表がある。日銀の利上げ観測が前倒しになる可能性もあり、前述の関税を巡る日米政府間交渉と併せて、週後半は為替絡みの材料には注意が必要だ。

米国の経済指標は、15日のNY連銀製造業景気指数、16日の小売売上高、17日のフィラデルフィア連銀景況指数などが注目される。16日の小売売上高は前月からの改善が見込まれており、予想通りであれば景気後退懸念が後退し、株式相場のプラス材料になる。

米国では14日にゴールドマン・サックス[GS]、15日にバンク・オブ・アメリカ[BAC]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、シティグループ[C]、16日にアルコア[AA]、17日にユナイテッドヘルス[UNH]、アメックス[AXP]、ネットフリックス[NFLX]などの決算発表がある。

日本も今週から3月期の決算発表が始まる。週末にディスコ(6146)が2025年3月期の決算を発表する。今年は例年以上にガイダンスリスクが懸念されるなかでの決算発表となる。その先陣を切るディスコの発表には大きな注目が集まるだろう。

予想レンジは3万2000円~3万6000円とする。