東京市場まとめ

1.概況

日経平均は66円高の33,987円で寄付きました。日米関税交渉をめぐり、相互関税の緩和的な措置が取られるとの思惑から、買いが優勢での推移となりました。序盤は荒い値動きとなるも、少しずつ上げ幅を拡大し、291円高の34,212円で前引けとなりました。

後場も堅調な推移となりました。中ごろに台湾積体電路製造[TSM]の決算発表が市場予想を上回る内容であったことが伝わると、一段と上げ幅を拡大し、引け間際の15時23分に458円高の34,379円をつけ本日の高値を更新しました。そのまま高値圏で取引を終えた日経平均の終値は457円高34,377円でした。

新興市場では東証グロース250指数が2.6%高で反発して取引を終えています。

2.個別銘柄等

サイバーエージェント(4751)は9.2%高の1,173.5円をつけ5日ぶりに反発となりました。連結子会社であるサイバーアウルで発覚した不適切な会計処理について、報告書を公表しました。経営陣の月額報酬の減額等もあわせて発表され、悪材料出尽くしとの見方から買いが集まりました。

三越伊勢丹ホールディングス(3099)は2.5%高の1,722円をつけ5日ぶりに反発となりました。日本政府観光局が16日公表した3月の訪日客数は349万7,600人となり、1~3月の四半期では1,053万7,300人と四半期ベースで初めて1,000万人を超えており、インバウンド需要による業績拡大の期待から買いが集まりました。

住友ファーマ(4506)はストップ高水準となる19.7%高の608円をつけ反発となりました。日本経済新聞が、「京都大学iPS細胞研究所などは、iPS細胞を使ったパーキンソン病の臨床試験で安全性と有効性を示唆する結果を得た」と報じ、今後iPS細胞由来の医薬品を協力企業として同社が実用化を目指すとされ、思惑買いが入りました。

アイフル(8515)は2.5%高の333円をつけ続伸となりました。国内証券が、新たに同社のレーティングを開始したことが伝わり、投資判断は最上位の「買い」、目標株価は足元の水準を上回る450円としたことでこれを材料視した買いが優勢となりました。

ゲームソフトとITサービスのシステム開発グループであるアエリア(3758)は10.6%高の251円をつけ6日続伸となりました。16日、発行済み株式総数(自己株式を除く)の2.4%に相当する50万株、金額にして1.5億円を上限とする自社株買いの実施を発表し、株式需給の引き締まりを意識した買いが集まりました。

VIEW POINT: 明日への視点

日米の関税交渉を無難に通過し、また取引時間中に発表されたTSMCの決算が市場予想を上回る内容であったことも上値を追う手掛かりとなりました。明日の材料には、日米ともに注目銘柄の決算発表があげられます。

日本では本日引け後にディスコ(6146)、米国ではネットフリックス[NFLX]、アメリカン・エキスプレス[AXP]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]の決算発表が予定されています。また、経済指標では、4月12日までの米新規失業保険申請件数の発表が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)