東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場にてダウ平均が下落した流れを引き継ぎ、日経平均は23円安の34,353円と反落で寄付きました。朝方は売りが優勢で始まり、9時12分に153円安の34,224円をつけ本日の安値を更新するもすぐに持ち直し、上昇に転じました。今晩の米国市場は祝日による休場のため、市場参加者が少ない中、材料のあった個別株への物色がみられました。一部の個別株が指数を押し上げ、205円高の34,583円で前引けとなりました。

後場も高値圏での推移となり、後半にかけて上げ幅を拡大する展開となりました。14時21分に381円高の34,758円をつけ本日の高値を更新しました。

その後は34,700円付近で一進一退に推移し、最終的には352円高の34,730円で大引けとなりました。新興市場では東証グロース250指数が3.7%高で続伸となりました。

2.個別銘柄等

中外製薬(4519)は一時18.9%高の8,427円をつけ株式分割考慮後で上場来高値を更新しました。18日、米イーライリリー・アンド・カンパニー[LLY]に開発・販売の権利を譲渡している肥満症薬候補「オルフォルグリプロン」の治験の結果で、減量効果や安全性が確認されたと発表しました。販売に至った際には、同社にロイヤルティー収入を受け取る可能性があり、業績貢献の期待が買いを呼びました。

東京地下鉄(9023)は0.8%高の2,024.5円をつけ上場来高値を更新し引けました。トランプ米政権による関税政策の影響が相対的に受けづらい内需のディフェンシブ銘柄として電鉄株が買われており、本日も買いが優勢で取引を終えました。

大手電池メーカーのジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)は4.3%高の2,369円をつけ続伸となりました。国内証券が、新たにレーティングを開始したことが伝わり、投資判断は最上位のアウトパフォーム、目標株価は足元の水準を上回る3,400円とし、これを材料視した買いが優勢となりました。

FA(ファクトリーオートメーション)関連部品の製造・販売を手掛けるミスミグループ本社(9962)は3.4%安の2,100円をつけ反落となりました。17日、米フィクティブを完全子会社化する発表するも、買収金額が約3.5億ドル(約500億円)と大きく、財務負担への懸念から売りが出ました。

ジモティー(7082)は一時6.2%高の1,645円をつけ年初来高値を更新しました。18日、千葉県白井市とごみ減量に向けたリユースに関する協定を締結したと発表しました。地方自治体との取り組みを拡大する同社に対し、業績の拡大を期待した買いが入りました。

VIEW POINT: 明日への視点

今週の日経平均は週間で1,144円(3.4%)高と終わってみては大きく上昇となりました。今晩はグッドフライデーの祝日で米国市場は休場となります。

来週は、週後半にかけて日本の主要銘柄の決算発表を控えているほか、日米財務相会合が22日に開催されると報じられており、ドル円相場の観点からもこれらが注目材料といえるでしょう。関税交渉を含め、来週に進展があった際には、株高も考えられるでしょう。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)