東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、大幅続伸となりました。235円高の38,748円で取引を開始した日経平均は、寄付きから上昇基調でスタートし早々に39,000円をつける展開となりました。10時過ぎには利益確定の売りが入り上げ幅を縮小するも、前日のS&P500株価指数とナスダック総合指数が史上最高値を更新したことや米景気の底堅さを背景に堅調に推移し、667円高の39,180円で前引けとなりました。

後場も勢いを落とすことなく、一時914円高の39,427円まで上げ、本日の高値を更新しました。海外勢の先物買いや値嵩株が中心の半導体関連銘柄が好調で、取引時間を通して堅調に推移し最終的には735円高の39,248円で取引を終えました。

新興市場では、東証グロース250指数が反発、0.8%高となりました。

2.個別銘柄等

半導体関連銘柄が軒並み上昇し、指数を牽引しました。ディスコ(6146)が6.1%で続伸、レーザーテック(6920)、SCREENホールディングス(7735)、東京エレクトロン(8035)の3銘柄は4%強上昇しています。またアドバンテスト(6857)は3.9%上昇しており、5銘柄で日経平均を約217円押し上げました。

ニデック(6594)は4.3%高で3日ぶり反発となりました。取引先である米スーパー・マイクロ・コンピューター[SMCI]に対し不正会計疑惑がかけられる中で、不正会計の証拠はないといった報道から同社への懸念が和らいだことがきっかけで、買いが先行しました。

川崎汽船(9107)は4.9%高で続伸となりました。海外証券会社により、投資判断と目標株価の引き上げがされたことで買いが入りました。継続的な株主還元姿勢や今期の業績予想に対する株価の割安感等が指摘されています。

サイゼリヤ(7581)は6.9%高をつけ反発となりました。前日に発表した11月の既存店売上高が前年同月比23.0%増と10月から伸びが加速し、値上げを見送る中で好調な売り上げ動向が評価されました。

伊藤園(2593)は6.8%高で4日続伸となりました。前日に発表した中間決算にて、純利益は前年同期比18.0%減となる91億円となるも、直近の第2四半期では前年同期比8.4%と改善が見られたことが買いを呼びました。

リコー(7752)は一時1.8%高をつけ年初来高値を更新し、終値では3日続伸となりました。発行済み株式総数(自己株式を除く)の2.94%、約300億円の自社株買いを発表したことで買いが集まりました。また取得した全自社株は2025年1月末に償却することも併せて発表しています。

関西電力(9503)は3.1%安で5日ぶりに反落となりました。先月13日に発表していた公募増資の一般募集払込期日が前日2日であり、売り出した株式が市場で売却される懸念から売られる展開となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は続伸となり、2日間で1,040円(+2.7%)上昇しています。本日の上昇は株式指数先物におけるショート筋の買戻しも寄与していますが、ここ2日間の上昇スピードの速さから明日は利益確定の売りにも注意したいところです。

前日に続き、今晩もFRB(米連邦準備制度理事会)高官の講演が予定されており、12月利下げについてのスタンスに注目が集まります。また、米国ではセールスフォース[CRM]の決算も予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)