東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、3日続伸となりました。前日比255円高の39,636円で寄り付いた日経平均は、前日に好決算を発表したファーストリテイリング(9983)が買われ、日経平均を押し上げました。

前場は、前日の米国株式市場にて主要3指数が揃って下げるなど、ネガティブな材料もある中で、一進一退で推移し、前日比231円39,612円で取引を終えました。

後場に入ると上げ幅を拡大、ファストリの他にも国内の長期金利が低下基調になったことを材料にハイテク株等が買われ、日経平均を押し上げました。最終的には、前日比224円高の39,605円で取引を終えました。

新興市場では、東証グロース250指数が続落、0.3%安となりました。

2.個別銘柄等

ファーストリテイリング(9983)が前日比一時、3,150円(6.1%)高の54,510円で上場来高値を更新する大幅高となりました。同社1銘柄で日経平均を277円押し上げる結果となりました。前日10日に2024年8月期の本決算にて、売上高にあたる連結売上収益は3兆1,038億円と初の3兆円超える水準であったこと、また今期の見通しでは前期比9.5%増の3兆4,000億円と発表しました。連結純利益は前期比3.5%増の3,850億円とし、また今期は年間配当を50円増額の450円とする見通しも発表しました。今期の利益も最高益を更新するとのガイダンスが好感され、大幅高となりました。

セブン&アイ・ホールディングス(3382)は、前日比一時117.5円(5.1%)安の2,207.5円をつけました。前日の2025年2月期の中間決算にて、連結営業利益が前年同期比22.4%減の1,869億円、通期では24.6%減の4,030億円と従来の業績予想から下方修正し、減益への転換が売りにつながりました。決算発表では同社への買収提案についても触れられましたが、非コンビニ事業を分離し、主力のコンビニ事業に注力することを強調しています。

「カラオケまねきねこ」を運営するコシダカホールディングス(2157)は、値上がり率は東証プライム市場銘柄でトップとなる前日比150円(15.3%)高の1,133円でストップ高となりました。前日に発表した、2024年8月期の本決算にて、今期の連結純利益が前期比11.3%増の74億円となるガイダンスを発表したことが好感され、買いが集まりました。カラオケ事業の新店舗の貢献や生産性改善が利益に寄与すると発表しています。

リサイクルショップ大手のトレジャー・ファクトリー(3093)は前日比227円(13.9%)安の1,413円と大幅安となりました。こちらは東証プライム市場の値下がり率ランキングでトップとなりました。前日に発表した2025年2月期の中間決算にて、連結営業利益が前期比20.5%増の17億円となったことを発表するも、第2四半期の同営業利益は3.9億円と、前年同期比で減益に転じたことが売りにつながりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、値嵩株が指数を押し上げ続伸となりました。

前日の米国CPI(消費者物価指数)は市場予想をわずかに上回る水準であったものの、全体としては横ばいの傾向であり、ディスインフレに水を差すものではないとの見方が優勢でした。また、次回の米国における利下げは0.25%の可能性が高まったとのコメントが見られました。

今晩は、米国の主要銀行銘柄であるバンク・オブ・ニューヨーク・メロン[BK]、JPモルガンチェース[JPM]、ウェルズ・ファーゴ[WFC]の決算発表が控えており、来週から本格化する3Q決算の中で好スタートを切れるか注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)