【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 38,852.86 ▼216.73 (5/28)
NASDAQ: 17,019.88 △99.09 (5/28)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は長期金利の上昇が重石となり反落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はエヌビディア[NVDA]を中心とした半導体株の上昇を受けて続伸となりました。40ドル安でスタートしたダウ平均は下げ幅を広げ取引終盤に363ドル安まで下落した後引けにかけてやや持ち直しましたが、上値は重く結局216ドル安の38,852ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が1ポイント高の5,306ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も99ポイント高の17,019ポイントとなり、先週末に続いて史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
5月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は102.0と前月から上昇し市場予想も上回りました。3月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数も前年同月比7.4%上昇し市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、資本財・サービスとヘルスケア、金融が1%以上下落しました。一方で3業種が上げ、情報技術とエネルギーが1%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではメルク[MRK]が2%を超える下落となったほか、アムジェン[AMGN]とマクドナルド[MCD]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、トラベラーズ[TRV]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]、ビザ[V]も1%以上下げています。一方でホーム・デポ[HD]とインテル[INTC]が1%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外ではエヌビディアが7%近く上昇しました。米起業家のイーロン・マスク氏が設立した人工知能(AI)のスタートアップ企業で、エヌビディアの先端半導体が10万個以上必要になると伝わったことから買いを集めました。他の半導体株も高く、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が3%以上上げ、マイクロン・テクノロジー[MU]も2%を超える上昇となりました。また、英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]も9%近く上げています。さらにクルーズ船のノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス[NCLH]が投資判断と目標株価の引き上げを受けて3%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.09%高い4.55%となりました。ドル円は157円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場での半導体株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の39,000円を上回ることができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)