東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。120円高の38,766円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分弱で156円高の38,802円まで上昇しましたが、38,800円を超えたところで伸び悩むと10時10分前に21円高の38,667円まで上げ幅を縮めました。

しかし、マイナスになることなく踏み止まると持ち直し112円高の38,758円で前場を終えました。69円高の38,715円でスタートした後場の日経平均は13時10分過ぎに43円高の38,689円まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと結局253円高の38,900円で取引を終え高値引けとなりました。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

日本郵船(9101)が一時4.7%高となりました。曽我貴也社長が「1年後の決算発表をPBR(株価純資産倍率)が1倍を超えた状態で迎えたい」とし、今後の株主還元についても「追加の還元余地はある」と、インタビューに答えことで大幅高となりました。

また、他の海運株にも買いが波及し、商船三井(9104)が一時4.2%高、川崎汽船(9107)も一時5.4%高となっています。

日東電工(6988)も一時2.1%高となりました。1株を5株にする株式分割を発表したことで投資家層の拡大と流動性の向上を期待した買いが入りました。

広告仲介を手掛けるバリューコマース(2491)も一時10.4%高となりました。2024年12月期の年間配当予想を従来から12円引き上げ54円にすると発表したことで買いを集めました。

ペット保険を手掛けるアニコムホールディングス(8715)も一時3.6%高となりました。自己株式を除く発行済株式総数の7.5%にあたる600万株、30億円を上限とした自社株買いを発表したことや、アクサ損害保険とペット保険事業で業務提携すると発表したことで買いが優勢となりました。

さらに目標株価の引き上げを受けてタカラトミー(7867)や関西電力(9503)が高く、タカラトミーが一時3.5%高となったほか、関西電力も6.4%高となり年初来高値を更新しています。

一方で投資判断と目標株価の引き下げを受けて年初来安値を更新したのがコーエーテクモホールディングス(3635)やSGホールディングス(9143)で、コーエーテクモホールディングスが一時8.4%安となり、SGホールディングスも一時4.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は253円高となりました。先週末の米国市場でハイテク株高を受けてナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。

朝方の買い一巡後に伸び悩む場面もありましたが、後場に入り上げ幅を広げると75日移動平均線(38,828円)を上回って取引を終え高値引けとなりました。そのため節目の39,000円回復への期待が高まりそうです。

なお、今晩の米国市場はメモリアルデーの祝日で休場です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)