2024年1月からNISA(少額投資非課税制度)が大幅に拡充され、NISAを活用した資産形成が注目を集めています。マネックス証券は、2月13日(火)のNISAの日に合わせて、口座を保有している方を対象にNISAや投資に関する意識調査を実施しました。
個人投資家は新NISAの制度改正を高評価、約8割が投信積立の増額を予定
個人投資家の約8割が、新NISAの制度改正内容に対して好意的な姿勢
新NISAの改正内容を理解している個人投資家が、今回の制度変更を10段階で評価したところ7以上の評価が全体の81%となりました。2023年11月に実施した前回調査の86%から下がってはいるものの、実際に新制度がスタートしてからもかなり好意的に受け取られていることが分かります。
非課税保有期間の無制限化が70%以上の個人投資家から評価
評価できるポイントの順位は前回と変わりませんでした。「非課税で保有できる期間の制限がなくなったこと」が70%以上の個人投資家に評価されています。次に評価が高かったのは「年間投資枠が増えること」でした。
新NISAで評価できないポイント、旧NISAからロールオーバーできないことが上位に
評価できないポイントとしては「旧NISAからロールオーバーできないこと」が突出した結果となりましたが、前回調査時の51%から10%近く減少しており、新制度スタート後は、より不満が減っている様子が見て取れます。「評価できないポイントがない」も依然として高く、今回の制度変更が評価されていることがわかります。
個人投資家の約8割が投信積立の増額を予定
旧NISAで投信積立を行っていた個人投資家の新NISAでの積立額については、半数が積立額を増やしている結果となりました。今後、積立額を増やそうと考えている個人投資家を含めると、77%が積立額の増額意志があることが分かります。
NISA口座での投資信託の平均積立額は約2倍に増加、投資信託買付額は前年比6.5倍に
マネックス証券の新NISA口座における2024年1月の1ヶ月間の取引データを調査しました。
新NISA口座のうち46%が投資・資産運用を開始
マネックス証券の新NISA口座のうち、1月から稼働した口座は46%でした。まだ、つみたて投資枠を使用し始めておらず、成長投資枠の使用時期も見計らっている個人投資家が一定数見受けられるため、改めて分散投資の必要性や非課税での本制度の利用メリットを伝えていく必要性を感じます。
新NISA、成長投資枠とつみたて投資枠の併用は19%にとどまる
投資枠の併用ができるようになったことに伴い、両方の枠を使い始めた個人投資家は新NISA口座利用者のうち、19%となりました。
成長投資枠の年間条件に近い200万円以上の利用は13%
成長投資枠を利用している個人投資家のうち、年間の上限額240万円に近い200万円以上を既に使っている人は13%でした。その13%のうちの37%は240万円の枠を使い切っており、長期保有目的や高値期待が窺えます。
投資信託の積立では、約4割が積立額を増加
つみたてNISA口座で2023年1月に3万円台だった個人投資家が新NISA口座で積立額を変更したかどうかを調査したところ、37%が積立額を増やしていることが分かりました。
投資信託の平均積立額は、約2倍に増加
上限33,333円だったつみたてNISAと比較すると、つみたて投資枠での投資信託の平均積立金額は約2倍の62,971円となり、非課税投資の枠が引き上げられた効果が大きく表われました。図表8にも記載の通り積立額を下げる想定の個人投資家より、今後の増額意志がある個人投資家の方が圧倒的に多いため、平均積立額は更に上昇することが予想されます。
NISA口座での投資信託買付額は前年比6.5倍に
新NISA口座での投資信託の買付額は2023年同月比と比べ6.5倍になりました。特定口座での積立購入から新NISA口座での購入に振り替えた個人投資家が一定数いるとしても、新NISAが始まったタイミングで投資信託の買付額は圧倒的に増える結果となりました。
新NISAで購入された銘柄人気ランキングTOP10(日本株・米国株・投資信託)
日本株では、日本電信電話(NTT)が上位に
2023年株式分割をおこなった日本電信電話(NTT)が多く買われ、1月にNISA口座で購入された日本株銘柄の中でのシェア10%を超えました。株式分割が、個人投資家を増やすことにとても有効な手段であることが分かります。
米国株は幅広い銘柄に分散
米株では、ETFを含む幅広い銘柄に購入が分散した結果となりました。
投資信託は、成長投資枠・つみたて投資枠ともにS&P500 連動、全世界株式型が上位に
各メディアでも取り上げられている「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が人気です。つみたて投資枠で「iFree S&P500インデックス」が1位にランクインしているのは、イオン銀行からの口座移管のお客様の積立設定が引き継がれているためです。今後、マネックス証券の口座となり今までイオン銀行で取扱いのなかったeMAXIS Slimシリーズなどが購入できるようになることから、順位変動についても注目されます。
■調査概要と回答者の属性
調査方式:インターネット調査
調査対象:マネックス証券口座保有者
回答数:8,492
調査期間:2024年2月1日(木)~2月5日(月)