2024年の投資詐欺の被害総額は794億円、年間最多に

2023年、日本国内で報告された投資詐欺被害の総額は278億円。これが、2024年は11月時点ですでに2.8倍の794億円(出所:警察庁「SNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について」)となっています。被害の規模は加速度的に拡大。巧妙な手口でターゲットに近づき、多額の資産を騙し取られるケースが後を絶ちません。

こうした現状を受け、マネックス証券では投資の入口について正しく伝えるべく、投資詐欺の被害に遭わないための啓発活動を強化しています。その一環として、お笑い芸人の松原タニシさんが脚本・出演を手掛ける怪談風啓発コンテンツを制作。本記事では、マネックス証券に実際にあった問い合わせをもとに、事例を交えながら投資詐欺についてご紹介します。

※怪談風の啓発動画コンテンツへのリンクは本記事の文末にあります。

 

お笑い芸人 松原タニシさん 

事故物件住みます芸人として、主に怪談・心霊コンテンツの発信を行っている。著書『事故物件怪談 恐い間取り』(二見書房)は2020年に映画化された。マネックス証券の投資詐欺啓発コンテンツでは、脚本制作を手掛け、自ら語り手として出演。

投資詐欺、実際に問い合わせのあった「3つの実例」

マネックス証券に実際に問い合わせのあった詐欺の手口をご紹介します。
※実話をもとに作成。個人が特定できないように一部改変を加えています。

1. 親友から紹介された「VIP対応のアナリスト」

つい最近、親友から「SNS上で知り合った女性」を紹介されました。その人から“「はい」か「いいえ」で元金の1.5~2倍の配当金が出るサイト”を紹介されて、興味本位で1万円だけ入金してみました。出金も出来たので、少し安心しました。その後、彼女の上司に当たる、会社のマネージャーの男性という方とLINEでやりとり。その男性は、マネックス証券のVIP対応のアナリストと名乗っていました。

その男性から「何か特定の銘柄を購入して、いざ引き出す時は、例えば1500万円だと6%の手数料を払わないといけないので、90万円を先に入金してほしい」という話をされました。急に金額が大きくなり、怪しいと感じて支払いはしませんでした。ただ、親友がどこまで同じような状況になっているのかなどは分からず、怖くて親友に連絡はできていません。そもそもマネックス証券にVIP対応のアナリストはいるのですか? 

→マネックス証券にそのような肩書のアナリストは存在しておらず、LINEでやり取りすることも、個人的にお金を振り込ませようとすることも絶対にありません。

2.出金できなくなった架空の投資サイト

2024年夏ごろ、とあるWebサイトで投資を始めました。そのサイトでマネックスグループという団体に投資をしたところ、配当金が入ってきました。5,000円、6,000円程度の利益のうちは、出金はすぐできたのですが、配当金が増えてきて万単位になった頃、引き出すためには手数料がいると言われ、支払いました(手数料の額は5万円)。

その後、再度出金しようとすると、手続きから時間がたっているため口座が凍結されているという表示が出た上、解除に5万円かかる状況になっていました。この5万円は支払った方がいいのでしょうか?

→そもそも出金の際に別途手数料がかかることがおかしいと考えられます。投資サイト自体がおそらく精巧につくられた偽サイトで、最初から投資自体できていなかったのではないでしょうか。マネックス証券としては、投資詐欺への注意喚起以外にお力添えできることがありません。

3. SNSでのコミュニティ勧誘

LINEのコミュニティの招待が届き、マネックス証券の社員を名乗る方から“バイナリーオプション”というものを勧められました。やり取りしていると、コミュニティの他の人たちとも積極的に交流していて、みんなかなりしっかりと運用している印象を受けました。そこで、250万円ほどを預けたのですが、出金の手違いで口座が凍結されてしまったと連絡がありました。解除に10分の1の金額、25万円が必要だと言われています。どうやって支払ったらいいか、支払方法が分からず問合せしました。

→お問い合わせ時点でまだ詐欺と疑ってはおらず、マネックス証券のサービスと認識されていたようです。マネックス証券ではSNSでの投資コミュニティの運営をこのような形で行うことは絶対にありません。

 

 

松原タニシさん「徐々に信頼させるところが巧妙…」
SNSからの被害が増えてるんですね。僕のSNSやDMにも知らん人からめっちゃメッセージきてますね。一気に騙すんじゃなくて徐々に信頼させるところが巧妙で怖い!

被害に遭わないために必要なことは?

詐欺の手口は巧妙化しており、誰もが被害者になる可能性があります。「自分は大丈夫」と油断せず、以下のことに留意しておくことが大切です。

1. 儲け話はまず警戒する

「確実に儲かる」「初心者でも簡単」といった言葉には要注意です。利益を保証する金融商品は基本的に存在しません。また、金融機関や証券会社の所属を騙るケースが多くみられますが、金融商品の取り扱いには厳格な法規制が設けられており、金融のプロが「絶対」「確実」のような断定的な言い回しをすることはありません。個人的にメンバーを募って資産運用を持ちかけることも絶対にありません。

2. 信頼できる情報源を活用

信頼できる金融機関や専門家から情報を得ることが重要です。SNSやメールでの突然の勧誘には疑いを持ちましょう。

3. 絶対に調べる

少しでも不安に感じた場合は、立ち止まって調べてみてください。証券会社のアナリストを名乗っているようなケースでは、名前を検索すれば、その証券会社に実在するかはすぐ分かります。実在する場合でも、所属している証券会社の口座以外を紹介してきたり、個人口座への振り込みを要求してきたりする時点で偽物です。少し調べてみるだけで被害を防げることがあります。振込先がアナリストの個人口座になることは、絶対にありません。

 

松原タニシさん「甘い話は一旦立ち止まる!」
信頼してた人に騙されるっていうところとパラドックスではあるんですが、いかに信頼できる情報や人を見分けられるかがポイントですよね。そして甘い話は一旦立ち止まって自分で調べてみる、と。

怖がるだけではなく、正しい知識で被害を防ごう

投資詐欺の被害は増え続けていますが、正しい知識を持つことで未然に防ぐことが可能です。当社の啓発コンテンツを通して「怖いけれど必要な知識」を得るきっかけとなれば幸いです。マネックス証券では今後も、安心して投資を始められる環境づくりを目指し、情報発信を続けていきます。

 

松原タニシさん「投資詐欺って、ある意味幽霊より怖い」
めちゃくちゃ勉強になりました。普段、怪談をやってるんですけど、投資詐欺ってある意味幽霊より怖いですよね。リアルに日常を壊されるというか。自分も気を付けたいですし、皆さんにもこういった手口があるっていうことを広く知ってもらいたいですね。投資詐欺怪談動画もぜひご視聴ください。