東京市場まとめ

1.概況

前日に大きく下げていた日経平均は、自律反発の買いが入ったことで343円高の35,961円で寄付きました。ドル円相場が1ドル150円台まで下落したことも輸出関連株の買いを誘い、朝方は堅調に推移し9時24分に434円高の36,052円をつけ本日の高値を更新しました。その後は伸び悩み、節目の36,000円を割り込む208円高の35,825円で前引けとなりました。

後場は米政権による相互関税の発動を前に買いは続かず、下げに転じる場面が見られました。一時、持ち直し35,700円台まで上昇するも大引けにかけて弱含み、最終的には6円高の35,624円と小幅高で取引を終えました。

新興市場では東証グロース250指数が2.2%安で4日続落となりました。

2.個別銘柄等

しまむら(8227)は8.3%高の9,270円をつけ続伸となりました。3月31日、今期(2026年2月期)の営業利益は前期比2.4%増の606億円を見込むと発表し、ガイダンスが概ね市場予想コンセンサスに沿った内容であったことから、それを好感する買いが入りました。

アルプスアルパイン(6770)は5.0%安の1,445円をつけ4日続落となりました。外資系証券が同社の投資判断を3段階の真ん中である「中立」から最下位の「売り」に引き下げ、また目標株価も従来の1,700円から1,500円としたことが、売り材料となりました。

エイチ・アイ・エス(9603)は14.5%高の1,635円をつけ3日ぶりに反発となりました。3月31日、今期の第1四半期決算を発表し、通期での営業利益は前期比10.6%増の120億円を見込むとしました。また年間配当は20円と前期の無配から株主還元を拡大することも発表し、これらを好感した買いが入りました。

コーセー(4922)は2.5%高の6,374円をつけ9日ぶりに反発となりました。同社の高価格帯ブランド「コスメデコルテ」で商品の値上げを発表し、リピーターも多い主力ブランドとあって、値上げによる採算改善を見込んだ買いが入りました。

TOPPANホールディングス(7911)は2.5%高の4,154円をつけ4日ぶりに反発となりました。国内証券が、同社の投資判断を真ん中の「中立」から最上位の「アウトパフォーム」、目標株価は従来の4,200円から5,200円に引き上げたことで、これを手掛かりとした買いが入りました。

VIEW POINT: 明日への視点

明日の材料は、今晩発表の3月のISM製造業景気指数の発表があげられます。事前の市場予想では、節目となる50を割り込む49.9ポイントとされており、前回の50.3ポイントから景況感の悪化が見込まれています。景況感の悪化は短期的に株式市場の重荷となると考えられますが、日本時間4月3日明け方に発表される米政権の相互関税の内容が明らかになる等、不確実性が払しょくされていくことが改善に向かってのポイントとなるでしょう。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)