【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 37,592.98  ▼118.04 (1/12)
NASDAQ: 14,972.76  △2.58 (1/12)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は決算を発表したユナイテッドヘルス・グループ[UNH]などの下げが重石となり下落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は米卸売物価指数(PPI)が予想に反して低下したことが相場の支えとなり上昇しました。107ドル高でスタートしたダウ平均は直後に114ドル高まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ昼前に240ドル安まで下落しました。その後は下げ渋りましたが引き続き軟調に推移すると結局118ドル安の37,592ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。一方でS&P500株価指数が3ポイント高の4,783ポイントと反発したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も2ポイント高の14,972ポイントと6日続伸となりました。

2.経済指標等

12月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%低下し、上昇を見込んでいた市場予想に反して下落しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや不動産、コミュニケーション・サービス、公益事業などの7業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となりました。一方で一般消費財・サービスやヘルスケアなどの4業種が下げ、一般消費財・サービスは1%安となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、決算を発表したユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が医療費の支払いが予想以上に増加したことが嫌気され3%を超える下落となったほか、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]も3%以上下げました。ボーイング[BA]も2%を上回る下落となり、アメリカン・エキスプレス[AXP]とインテル[INTC]も1%以上下げています。一方でIBM[IBM]が2%を超える上昇となり、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]とシェブロン[CVX]、アムジェン[AMGN]、ウォルト・ディズニー[DIS]も1%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、テスラ[TSLA]が中国での新モデルの一部値下げに加え、紅海の物流混乱に伴う部品不足で独ベルリン近郊の工場で2週間、生産の大半を停止すると発表したことから3%以上下げました。決算を発表したウェルズ・ファーゴ[WFC]も純金利収入の減少見通しを嫌気した売りで3%を超える下落となっています。さらに決算を発表し通期の見通しを下方修正したデルタ航空[DAL]も9%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は米卸売物価指数(PPI)が市場予想に反して低下したことで0.02%低い3.94%となりました。ドル円は144円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。短期的な過熱感が強く利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)