東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。315円高の33,107円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分弱で380円高の33,172円まで上昇しました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むと10時20分前に150円高の32,942円まで上げ幅を縮め191円高の32,983円で前場を終えました。168円高の32,959円でスタートした後場の日経平均はさらに弱含み14時30分前に8円高の32,800円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まるとやや戻し結局51円高の32,843円で取引を終えています。一方でTOPIXが小幅に下げたほか、新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%を超える上昇となったことから半導体関連銘柄が高く、東京エレクトロン(8035)が一時4.4%高、SCREENホールディングス(7735)が一4.1時%高、アドバンテスト(6857)が一時3.8%高、ディスコ(6146)も一時4.7%高となり、SCREENホールディングスは昨日に続いて上場来高値を更新しています。良品計画(7453)も一時6.1%高となりました。11月の中国大陸でのオンラインストアを併せた既存店売上高が前年同月比で15.4%増となり、10月の2.9%減からプラスに転じたことで大幅高となりました。また、焼肉店「焼肉きんぐ」などを展開する物語コーポレーション(3097)も11月の既存店売上高が前年同月比で12.0%増となり足元の好調さが改めて確認できたことから一時8.2%高となっています。さらに東証スタンダード市場ではラーメン店を展開する丸千代山岡家(3399)が22.6%上昇しストップ高となりました。コロナ禍の収束による人流増加を受け来店客数が大幅に伸びたことに加え、価格改定やコスト管理と業務効率化の取組みで利益率が上昇したことなどにより10億円とみていた2024年1月期の営業利益の見通しを18億円に上方修正したことから買いを集めました。一方で機械商社の山善(8051)が一時10.1%安となりました。みずほ銀行など国内金融機関5行が山善株を売り出すと発表したことで需給の悪化を懸念した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は51円高となりました。昨日の米国市場で主要3指数が揃って連日で年初来高値を更新したことから買いが優勢となりました。一時は380円高まで上げ幅を広げ節目の33,000円や25日移動平均線(33,065円)を上回る場面もありましたが、11月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり朝方の買い一巡後に伸び悩むと上げ幅を大きく縮めました。その米CPIは日本時間の22時30分に発表となります。米連邦準備制度理事会(FRB)による今後の金融政策を占ううえで関心が高いことからマーケットの反応が注目されます。また、明日は寄り付き前の8時50分に12月の日銀短観が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)