モトリーフール米国本社 – 2026年7月5日 投稿記事より

マイクロン・テクノロジー[MU](以下、マイクロン)の株価は2026年初来240%上昇しています。これはS&P500指数構成銘柄の中で2番目に高く、1位は競合するメモリー半導体メーカーのサンディスク[SNDK]で、2026年に600%を超える上昇となっています。

マイクロンの株主には最近、幾つかの朗報がもたらされました。マイクロンの直近決算発表を受けて、ウォール街の複数のアナリストが利益予想を上方修正しました。加えて、エヌビディア[NVDA]のフアンCEOは、今後数年間にわたり、メモリー半導体の需要は供給を上回り続けるとの見方を示しています。

投資家が知っておくべきポイントをみていきましょう。

マイクロンの顧客は前例のない複数年契約を締結

マイクロンはNAND型フラッシュメモリーとDRAM半導体を基盤としたメモリーおよびストレージ製品の開発・製造をしています。これらはいずれも人工知能(AI)の処理に不可欠な半導体です。NANDは長期保存用のストレージ装置として、DRAMは作業時の記憶領域として機能します。また、DRAMの一種である高帯域幅メモリー(HBM)は、GPUに対し非常に高速度でデータを供給します。

マイクロンはどのセグメントにおいても、市場のトップ企業ではありません。テクノロジー分野の市場調査会社カウンターポイント・リサーチによれば、実際にマイクロンはNANDではサンディスク[SNDK]と並んで第4位、DRAMでは第3位、HBMでは韓国のSKハイニックスと並んで第2位に位置しています。それでも、マイクロンは、AIインフラ投資への急速な拡大がもたらした、前例のないメモリー半導体の供給不足から大きな恩恵を受けています。

マイクロンの総売上高(2026年5月に終了した2026年度第3四半期時点)は、前年同期比345%増の414億ドルとなりました。これは、NANDとDRAMの価格が前年同期の2倍超に上昇し、特にクラウドおよびデータセンター部門で売上げが大きく伸びたことによるものです。最終利益では、米国会計基準(GAAP)に基づかない調整後1株当たり利益(EPS)は、希薄化後で1,200%強増加して25.11ドルとなりました。

最大の朗報は、マイクロンのサンジェイ・メロートラCEOからもたらされました。同氏は、マイクロンは現在、顧客と16件の複数年契約を締結しており、その中には「決められた数量の半導体を購入する、拘束力のあるコミットメント」が含まれていると明らかにしました。

こうした契約は、メモリー半導体業界では前例がありません。これまで同業界では、契約期間が数日単位という短期契約が一般的でした。そのため、このような長期契約の締結によって、マイクロンは将来のキャッシュフローをこれまで以上に見通しやすくなります。

さらにメロートラCEOは、今後数十年にわたり、自動運転車やロボットといった、実際にAIを搭載した製品がメモリー半導体需要を高止まりさせるとの見方を示し、「2020年代後半から、持続的で大規模な数十年規模のメモリー需要サイクルが始まるとみている」と述べました。

景気循環リスクが緩和する可能性:ウォール街のアナリストが利益予想上方修正 

メモリー半導体は歴史的に、景気循環の影響を大きく受け、供給不足による価格高騰局面と供給過剰による価格下落局面を繰り返してきました。しかし、マイクロンが締結した複数年契約には最低価格が設定されています。この仕組みにより、将来的にはこれが景気循環を緩和する、あるいは完全に解消する可能性があります。

その結果、多くのウォール街のアナリストが、利益予想を大幅に上方修正しています。コンセンサス予想では、2027年度(8月終了)のEPSは155ドルに達すると見込まれており、これは、従来予想である98ドルを大幅に上回ります。この新たな予想に基づくと、今後5四半期にわたり、利益は年率168%で拡大することになります。

エヌビディアのフアンCEOは、メモリー半導体の供給不足は今後数年間続くと予想

2026年1月に開催されたテクノロジー見本市、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)において、エヌビディアのフアンCEOはAIの推論処理において、メモリーが急速に最も重要なボトルネックになりつつあると説明しました。AIアプリケーションの利用者が増えているだけでなく、ユーザー間のやり取りは長くなり、基盤となるモデルも大規模化しています。こうした変化に対応するため、AIシステムは、より多くのメモリーを必要としています。

フアン氏がそのような見解を示してから6ヶ月が経ちましたが、状況は改善していません。フアン氏は2026年6月に韓国で記者団に対し、「シリコンウェハーからパッケージング、光高速送受信を実現するシリコンフォトニクスに至るまで、業界のサプライチェーン全体で供給不足に陥っている。需要がきわめて旺盛であるためだ。この状況は数年間続くだろう」と語りました。

これは、マイクロンおよび他のメモリー半導体メーカーにとって朗報です。もちろん、これだけで業界が景気循環性を完全に払拭したというわけではありませんが、当面は旺盛な需要が続く可能性を示しています。したがって、マイクロンが今後数四半期にわたり、好調な決算を持続すると考えるのは合理的と思われます。

免責事項と開示事項

記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Trevor Jennewineはエヌビディアの株式を保有しています。モトリーフール米国本社は、マイクロン・テクノロジー、エヌビディアの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、情報開示方針を定めています。