現在のファンダメンタルズ:緩やかな動きだが米ドル全面高へ
先週(5月11日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円: 156.672円~158.843円 158.798円
・ユーロ/米ドル:1.16169ドル~1.17877ドル 1.16232ドル
・ユーロ/円: 184.047円~185.454円 184.578円
先週(5月11日週)の為替市場:米ドル/円は為替介入前のもみ合い水準へ戻る
週を通して米ドル高の一週間となりました。
5月11日は5月10日にトランプ米大統領がイランからの回答に不満を示したことでリスクオフの動きからスタート、5月11日早朝の安値156.672円が週間安値となりました。5月11日に日米財務相会談に先立って夕食会が開催され、今回の介入に理解を得られたとの発言はあったものの、それ以上に踏み込んだ内容は5月12日の財務相会談でも出ず、円安方向へ動く安心感にもつながった印象でした。
5月12日には米国CPIの発表があり予想よりも強い結果に、また5月13日に発表された米国PPIは予想よりもかなり強い結果となりました。それによって米国のインフレ懸念は一層強まり、米金利は上昇。
また今後のFOMCでの追加利下げの見通しは消え、CME(シカゴマーカンタイル取引所)のFF(米国政策金利)先物から計算される金利の織り込み度(金曜大引け時点)では、2026年12月時点のFF水準は現状維持が37%、0.25%利上げが63%と利上げを見込む向きが半数を超え、大きな変化を見せました。
この米国を中心としたインフレ懸念と米長期金利上昇の動きが米ドル高の背景となっています。ただ、最も注目されていた5月14、15日の米中首脳会談では具体的な話はあまりなく、イラン情勢についても進展につながるような話は出ませんでした。そのため、依然として原油高・米株安・米ドル高という構図には何の変化もありません。
テーマ的には市場参加者もそろそろ飽きてきた感じがみられ、大きな動きにはつながってはいません。しかし、ここからさらなる米ドル高が進んだ場合、改めて為替介入警戒感も再燃します。今週(5月18日週)は動きにくい一週間となっていきそうです。そうした観点では、米ドル/円よりもユーロ/米ドルでの米ドル買いのほうが動きやすいと言えそうです。
米ドル/円チャート(週足):移動平均線を上抜けて1週目
長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。
週足チャート(図表1)では、先々週(5月4日週)時点で終値が移動平均線を2週連続で下抜けたことで、下降トレンドが確定していました。しかし先週(5月11日週)は終値が移動平均線を上抜けています。引き続き下降トレンドではあるものの、今週(5月18日週)の終値が157円台後半よりも米ドル高の場合、2週連続で移動平均線を上抜けることになり、上昇トレンドに再転換します。
下降トレンドが1週間で終わるダマシが入ると、その後は円安が加速しやすくなります。ただ、為替介入警戒感も高まる水準にあり、今週(5月18日週)は日足チャートをベースにみるほうが良いでしょう。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。
米ドル/円チャート(日足):5月7日のゴールデン・クロス状態が続く
短期的な判断は日足で行います。
米ドル/円は5月6日の為替介入後の上昇から、翌5月7日にはゴールデン・クロスが発生しました。このゴールデン・クロス状態が本日5月18日まで続いています。先週(5月11日週)時点では週足が下降トレンドとなっていたため、次のデッド・クロスを待ちたいという方針を示しました。
しかし、週足チャートで移動平均線を上抜ける動きとなってきたことから、今週(5月18日週)はゴールデン・クロス、デッド・クロスともニュートラルな目線で見ていくこととなります。
現時点での上値の目処は直近高値と安値の76.4%戻しとなる159.377円です。159円台に乗せてくると為替介入が入る可能性も高く、なかなか悩ましいところです。次のデッド・クロスもその後のゴールデン・クロスも素直に従って、利が乗れば早めに利食いというスタンスで臨みたいところです。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
ユーロ/米ドル:移動平均を下抜けて1週目
ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。
週足チャート(図表3)では、ユーロ/米ドルは終値で移動平均線を下抜けたことで下抜け1週目、下降トレンドへの転換待ちというチャートになりました。ただ移動平均線自体がほぼ平らで方向感がありませんので、ユーロ/米ドルも今週(5月18日週)は日足で見ていくことが望ましいと言えます。
なお、年初来高値と年初来安値との61.8%戻しとなる1.18242ドルがレジスタンスとして効いていたことで、現状は下値のターゲットを考える段階と言えるでしょう。
日足チャート(図表4)では、先週(5月11日)に引いた短期拡散型上昇ウェッジを明確に下抜けてきました。上述した下値のターゲットとして3月安値と4月高値とのフィボナッチ・リトレースメントを考えることになります。
先週示した38.2%押しは既に下抜け、14日にデッド・クロスが発生、またチャートパターン的にもダブルトップのネックラインを下抜けたことで、現時点のターゲットは61.8%押し1.15780ドルとなります。
ユーロ/円:週足は上昇トレンドに回帰
ユーロ/円(図表5)は、上昇トレンド継続に黄信号が点灯していたものの、移動平均線の上での終値が続き、上昇トレンドに回帰しています。しかし、米ドル/円、ユーロ/米ドルともに現状は米ドル高の地合いにあり、ユーロ/円はすっかり方向感を失いました。週足移動平均線も着実に平らになり、ローソク足も短くなってきています。
日足チャート(図表6)をみると、米ドル/円で介入が入り下げ、その後買い戻しで上げ、先週(5月18日週)は改めて下げてきています。
2本の移動平均線は5月7日からゴールデン・クロス状態が続いていますが、直近下げてきた動きで本日5月18日にもデッド・クロスに転換する可能性が高そうです。現状は方向感が無くなっていますので、どちらのシグナルにもついていき、早めに利食いを入れるという米ドル/円と同様のスタンスでよいでしょう。
動きにくそうな一週間ではありますが、今週も良いトレードを!
