現在のファンダメンタルズ:新規材料に乏しく様子見状態
先週(5月25日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円: 158.757円~159.651円 159.263円
・ユーロ/米ドル:1.15861ドル~1.16853ドル 1.16593ドル
・ユーロ/円: 184.741円~185.979円 185.690円
先週(5月25日週)の為替市場:米ドル/円の週間レンジはわずか82銭
先週(5月25日週)は、前週(5月18日週)に続いて静かな値動きの一週間となりました。米ドル/円の週間レンジは89銭となり、前週(5月18日週)よりもわずかに広がったものの、通常の1日のレンジにも満たないという印象です。
最大の理由は米国とイランとの協議による戦争終結に向けた合意案について、双方の見解にはいまだ隔たりがあるという点です。現在の最終合意案についてもトランプ米大統領が難色を示しているとのニュースが週末に入ってきました。合意には近づいているものの、すぐに合意に至る状況でもないのでしょう。
金融市場では合意は近いと楽観的な見方をしていたため、原油価格は下落し、米国株は上昇するなど、リスクオンでの週末クローズとなりました。しかし、週明けはトランプ米大統領が難色を示したとのニュースに反応し、ややリスクオフ(原油高、株安、米ドル高)の反応を見せています。
最終的には、イラン情勢は落としどころを見つける方向に向かうのは確かでしょう。しかし、これまでの経過を見る限り「合意」の文字を見るまではリスクオンに動くのは難しいという印象です。仮に合意してリスクオンの動きになったとしても、主要国はインフレを抑えるために利上げに動くこととなり、6月の金融政策決定会合ではECB(欧州中央銀行)と日銀が利上げに動く可能性が高いとみられています。
この場合、対米ドルで多少、円買い・ユーロ買いに動く可能性はあるものの、問題は米ドル/円のポジションです。東京の個人投資家を中心に、為替介入への期待から158円から159円台前半まで着実に米ドル売りポジションが積み上がってきています。そのため、押し目では米ドル買い戻しが出やすい状況となっています。
160円の大台に乗れば為替介入もあるでしょう。ただ、こうした米ドル売りポジションの絶好の買い戻しの機会として利用されるであろうことは当局も十分に承知しています。となると、160円台に乗せてもすぐには為替介入をするのではなく、投資家が諦めて損切りをした後に為替介入が入ると考えると、160円台後半から161円台前半まで、為替介入はないとも思えます。
そしてインフレ同様に重要な、米国雇用統計が6月5日に発表されます。長期的にみると雇用は弱い傾向にありますので、失業率、非農業部門雇用者数だけでなく、詳細についても検討した上で今後の米国経済の見通しを考え直すという点で、来週(6月8日週)からが本番というところでしょうか。
米ドル/円チャート(週足):上昇トレンド継続
長期的な判断は週足チャートで行います
週足チャート(図表1)では、前回の時点で終値が移動平均線を2週連続で上抜けていましたが、その後も状況は変わらず、米ドル/円は上昇トレンドが継続しています。すでに、前回為替介入が入った159円台に入ってきているものの、上述した通り米ドル売りのポジションが積み上がっているため、かなり底堅い地合いが続いています。
ただ、ここから1円は上下とも動きそうですが、2円動くとなると、下(円高方向)しかないのではないかと思われるため、短期的にも長期的にも動きにくいというのが現状判断となります。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。
米ドル/円チャート(日足):5月7日のゴールデン・クロス状態が継続
短期的な判断は日足で行います。
米ドル/円は着実に円安方向へ動き、先週(5月25日週)は4月末の為替介入以来の円安水準を見ることとなりました。2本の移動平均線も5月7日のゴールデン・クロス状態が長らく続き、テクニカルには上方向(円安)を見ざるを得ないのですが、160円の大台に近いことが動きにくくしています。
今後もポジションが積み上がり始めた158円台前半が強いサポート、160円の大台が強いレジスタンスとなりますが、ニュースや指標の発表で一時的に160円台に載せる可能性は高いとみておいたほうが良いでしょう。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
ユーロ/米ドル:下降トレンド
ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。
週足チャート(図表3)では、ユーロ/米ドルは先週(5月25日週)時点で移動平均線を2週連続で下抜けた状態が続いているため、下降トレンドという判断は変わりません。ただ、移動平均線がほぼ平らかつ終値が移動平均線に近いというチャートのため、いつ移動平均線の上側で引けてもおかしくありません。方向感が出にくいという前提で、緑色のレジスタンスラインを上抜けていくようであれば、移動平均線も上抜けますので、注意深く見守るというスタンスは継続です。
日足チャート(図表4)では、週足に引いたレジスタンスラインと、それに平行なラインで形成される下降チャンネル内での動きを続けています。2本の移動平均線は5月26日にゴールデン・クロスに転じました。そのため、短期的にはユーロ/米ドルは緑のレジスタンスラインに向かいやすいとみてよいでしょう。
ユーロ/円:週足は緩やかな上昇トレンド
ユーロ/円(図表5)の週足は、緩やかな上昇トレンドが継続しています。米ドル/円がじり高となっていることに6月ECB理事会での利上げ思惑も重なった動きとみられます。また、ユーロ/円での介入は無いということもユーロ/円の買いを持ちやすくさせていると言えるでしょう。
ただ、米ドル/円で為替介入があった場合、一時的に大きな下げにつながるであろうことから、現行水準では積極的には買いにくいと考える参加者も多いようです。テクニカルには緩やかな上昇トレンドで上昇チャンネル(青)内での動きです。
日足チャート(図表6)では、ごく短期的なペナント(短期三角もちあい)を上抜けたため、短期平行上昇チャンネル(ピンク)を引き直しました。当面はこのチャンネル内での動きとみてよいでしょう。2本の移動平均線も5月7日のゴールデン・クロス状態が続いていますので、上昇トレンドを続けやすい地合いにあります。
それでは、今週も良いトレードを!
