現在のファンダメンタルズ:主要3通貨ともボラティリティが低い

先週(6月1日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円:  159.284円~160.342円   160.251円
・ユーロ/米ドル:1.15180ドル~1.16643ドル 1.15221ドル
・ユーロ/円:  184.498円~186.201円   184.645円

先週(6月1日週)の為替市場:米ドル/円は3週連続で1円程度のレンジ

予想以上に強かった米国雇用統計が出たことで、かろうじて週間レンジは1円を超えたものの、ここ3週間の米ドル/円はほとんど動きが出ない状況が続いています。それでも全般的に米ドル高の地合いが続き、為替介入への警戒感がないユーロ/米ドルは1.15ドルの大台目前まで水準を下げてきました。米国とイランの合意に向けた見通しが不透明な状況で、米ドル高が続きやすい流れです。

為替介入については、現状の円安地合いでもボラティリティが乏しいことを考えると、すぐには実施されないとみています。水準的にはゴールデンウィーク介入前の水準を上抜ける円安が、ひとつの目安になるとは思います。ただ、今のような動きが続くと161円台、2024年の介入水準まで追加の為替介入は実施されない可能性もあるでしょう。

そうした中で、国内個人投資家の米ドル売り・円買いポジションの積み増しが話題となっています。OTC取引は各社で条件がまちまちであるため正確な米ドル売りのポジションはわからないものの、金額を公表している取引所FXでの米ドル売りは23.7億ドルです。そのうち米ドル/円は80%程度のため、約19億ドル、さらに取引所FXのシェアを3%とすると、約630億ドルもの米ドル売りが、米ドル/円で積み上がっていることになります。(※あくまで筆者の推測です)その多くが為替介入期待であるとすると、ここで介入をしても個人投資家の利食いに吸収され、そこでいったん終了となりかねないため、なかなか介入は入りにくい状況です。

そして6月12日には米スペースXの新規上場があり、日本でのブックビルディングも最大4000億円と言われています。160円換算で25億ドルとそれなりの規模です。こうしたことを考えると、今週(6月8日週)も基本的には米ドルが底堅い地合いを継続しやすいと考えざるを得ません。

ボラティリティは低いままでしょうが、160円の大台を中心として159.50~160.50円をコアレンジとする一週間になるのではないかと考えています。

米ドル/円チャート(週足):上昇トレンドは変わらず

長期的な判断は週足で行います

週足チャート(図表1)では終値が移動平均線を上回った状態が続いているため、上昇トレンドに変化はありません。心理的な壁となっていた160円の大台も上抜けており、テクニカルには2024年の為替介入前の高値161.949円がレジスタンスということになります。ただ、そこまで待つと一気に円安に振れてしまうリスクもありそうです。161円という水準が次の節目になってきそうです。

【図表1】米ドル/円(週足)
出所:マネックストレーダーFX
【週足チャートの見方】
長期トレンドは20週移動平均線と週足終値との位置関係で判断します。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。

米ドル/円チャート(日足):5月7日のゴールデン・クロス状態が1ヶ月継続

短期的な判断は日足で行います。

米ドル/円は円安方向へ動いてきたことで、目先のターゲットは4月30日の為替介入前の水準、より大きくは週足に示した2024年高値となっています。2本の移動平均線も5月7日のゴールデン・クロス状態が続いたまま既に1ヶ月、時間的にはそろそろいったんデッド・クロスを挟んでもおかしくはないくらい続いています。ただ、仮にデッド・クロスが現れた場合、その次のゴールデン・クロス待ちというスタンスが良いと思います。おそらく米ドル売りポジションでつかまっている人の買い戻しが押し寄せてくるのではないでしょうか。

【図表2】米ドル/円(日足)
出所:マネックストレーダーFX
【日足チャートの見方】
短期売買シグナルは5日終値移動平均線(青)と5日始値移動平均線(赤)のゴールデン・クロス(GC)、デッド・クロス(DC)で判断します。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
短期上昇トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の上で推移し、短期下降トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の下で推移します。通常の2本の移動平均線で言えば、終値が短期線の役割、始値が長期線の役割を果たしていると考えるとわかりやすいでしょう。
※マネックストレーダーFXでは、移動平均線の設定画面で始値を選択することができます。

ユーロ/米ドル:下降トレンド継続

ユーロ/米ドルのチャートからみていきます。

週足チャート(図表3)では、ユーロ/米ドルも移動平均線を下回って推移しているので下降トレンド継続です。現状は主要通貨に対して全般的な米ドル高の地合いです。週足では緑のレジスタンスラインをレジスタンスに、拡散ウェッジ下側の青のラインをサポートとする流れにあります。まずは3月安値1.14107ドルをサポート兼ターゲットとする動きが予想されます。

【図表3】ユーロ/米ドル(週足) 長期トレンド=下降トレンド
出所:マネックストレーダーFX

日足チャート(図表4)では、週足に引いたレジスタンスラインと平行なラインとで形成される下降チャンネルを下抜け始める動きとなってきました。ここを明確に下抜けてくると、3月安値が視野に入ってきます。2本の移動平均線は6月3日にデッド・クロスに転じました。週足と方向性が一致してきたことで、長期的にも短期的にもユーロ/米ドルは下げやすい状態になってきました。

【図表4】ユーロ/米ドル(日足) 短期トレンド=6月3日にデッド・クロスに転換
出所:マネックストレーダーFX

ユーロ/円:週足は上昇トレンドも移動平均線に近づく

ユーロ/円(図表5)は、緩やかな上昇トレンド継続も移動平均線に近づいてきたことで、横ばいのもみあい局面入りとみるべきでしょう。ユーロ/米ドルが下げてきたことで、ユーロ/円も下げが目立ってきましたが、下降トレンドへの転換は少なくとも今週(6月8日週)と来週(6月15日週)の2週連続で移動平均線を下回って引ける必要があります。引き続き青の平行上昇チャンネル内での動きとみていたほうが良さそうです。

【図表5】ユーロ/円(週足) 長期トレンド=緩やかな上昇トレンドからもみあい
出所:マネックストレーダーFX

日足チャート(図表6)では、短期平行上昇チャンネル(ピンク)を下抜け始める動きになってきました。チャートパターンとしては大きな下げの後にフラッグを形成し、そのフラッグを下抜けようとしている動きに見えます。

そのため、ここからの動きがもみあいで終わるのか更なる下げにつながるのかを見極める局面にあります。2本の移動平均線も6月5日にデッド・クロスに転換し、久しぶりに下降トレンドが出やすい流れとなってきました。ユーロ/米ドルの動き次第で一段安を見やすい段階にあります。

今週も良いトレードを!

【図表6】ユーロ/円(日足) 短期トレンド=6月5日デッド・クロスに転換
出所:マネックストレーダーFX