政治・地政学リスクをめぐり、一時はS&P500やナスダックも2%前後調整
先週(1月19日週)の米国株市場は、政治・地政学リスクを巡るヘッドラインに振り回される展開となりました。
発端は、トランプ米大統領のグリーンランドを巡る安全保障上の言及に加え、米国がグリーンランドを取得できるよう圧力をかけるため、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、英国、オランダ、フィンランドの欧州8ヶ国に対して10%の関税を課すと述べたことです。また、6月1日までに合意に至らなければ関税を25%に引き上げるとも付け加えました。
さらにトランプ米大統領は、フランス産ワインおよびシャンパンに対して200%の関税を課す可能性にも言及しました。このような発言を受け、投資家は米国経済や米国資産全体への影響を再評価する局面に入りました。
1月19日(月)の米国市場は休場でしたが、20日(火)には、ダウ平均が一時800ドル超下落し、S&P500やナスダックも2%前後の調整を余儀なくされました。注目すべきは、株式だけでなく米国債も同時に売られ、長期金利が上昇した点です。これは単純なリスクオフというよりも、米国の政策運営に対する不確実性が、リスクプレミアムとして資産価格全体に上乗せされた局面と捉えることができます。
市場の動揺は長続きせず、先週(1月19日週)のS&P500は-0.35%、ナスダック100は+0.30%に
ただし、市場の動揺は長続きしませんでした。その後、トランプ米大統領はダボス会議にて、「武力行使を想定していない」「NATOとの協調を前提に協議を進める」と発言のトーンを修正すると、株価は急速に持ち直しました。1月21日(水)には主要株価指数がそろって1%超反発し、結果として週次で主要指数はいずれも小幅な変動にとどまりました。
この一連の値動きが示しているのは、市場が政治リスクに敏感である一方、その影響を短期的なノイズとして処理し始めているという点です。
関税や地政学、金融政策への圧力というテーマは今後も繰り返し浮上する可能性がありますが、投資家の関心は徐々に「それが企業業績にどの程度影響するのか」という実体面へと戻りつつあります。
こうした環境の中、先週(1月19日週)の株式市場ではS&P500は-0.35%の下落、ナスダック100は+0.30%にとかろうじてプラスとなったのです。
小型株指数のパフォーマンスが堅調、今週(1月26日週)はアップル[AAPL]などの決算発表に注目
前回のマネクリでも触れた通り、足元では小型株指数のパフォーマンスが堅調に推移しています。ラッセル2000指数は、年初から先週末(1月23日)までに7.54%上昇しており、S&P500の上昇率(1.02%)を大きく上回る動きとなっています。
また、ラッセル2000指数は一時14営業日連続でS&P500をアウトパフォームしており、これは1996年以来、約30年ぶりの記録となりました。背景には、米国経済の底堅さに対する評価があります。
ラッセル2000構成企業の売上高の約75%は米国内向けであり、海外売上比率の高いS&P500と比べて、内需動向の影響を受けやすい指数です。小型株の上昇は、米国景気は急激な減速局面には入らないという見方が広がっていることを反映していると考えられます。
今週(1月26日週)から、2025年第4四半期の決算発表が本格化します。中でも注目されるマグニフィセント7銘柄では、1月28日にマイクロソフト[MSFT]、メタ・プラットフォームズ[META]、テスラ[TSLA]、1月29日にアップル[AAPL]の決算発表が予定されています。
