今週最大イベントはFOMCとメジャーSQ
今週の日本株市場は、週を通じて方向感に乏しい展開になると思われる。市場参加者の視線は9-10日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)に集中しているが利下げはほぼ織り込み済みで、あまり材料にはならないだろう。むしろ11日には米半導体のブロードコム[AVGO]の決算発表を控えており、それ次第では半導体・AI関連株が大きく動くため、様子見ムードが支配的になる。ただし、週末12日にはメジャーSQを控えるため、先物・オプション絡みの思惑で指数の振れが大きくなる可能性もみておきたい。
今週最大のイベントであるFOMC(米連邦公開市場委員会)では、利下げペースの見通しとドットチャートが関心事である。市場はすでに2025年にかけての複数回の利下げを織り込んでおり、よほどタカ派寄りの修正が出ない限り、波乱はないだろう。特に米10年債利回りが4.1%台へ沈静化するのであれば、株式には追い風となり、日本株もFOMC(米連邦公開市場委員会)通過後には上値を試す場面が期待される。他方で利下げ幅が市場予想よりも小さく示され、ドットチャートの中立金利が高めに据え置かれるような展開となれば、長期金利は4.3-4.4%の水準へ上昇し、日本株、とりわけグロース株には逆風となる。
メジャーSQに向けた先物・オプションのポジション調整にも注意したい。SQ週特有の裁定解消や先物主導の買い戻しで相場は強弱のぶれが通常より大きくなる。特にSQ着地水準を巡る攻防が週前半から激しくなる公算が大きく、5万円台を維持できるか、あるいは4万9000円方向に引き戻されるかは、オプション建玉の偏りと外国人の先物売買に依存する。裁定買い残が依然高水準であるため、急落局面では短期筋が買い戻しに動く構図が想定され、突っ込みは限定的になりやすいとみる。
今週は堅調が続き落ち着かない値動きか
銀行や保険などの金融株は、日銀の利上げ観測を背景に相対的に堅調が続くだろう。一方で半導体・AI関連は依然として需給調整が完了したとは思えないため、落ち着かない値動きが続く。FOMC(米連邦公開市場委員会)がハト派となれば買い戻されるが、もしタカ派寄りであれば、再び大きく動揺するだろう。
総括すると、今週の日本株はFOMC(米連邦公開市場委員会)とメジャーSQという二大イベントの間で方向感が生まれにくいが、ここを無難に通過すれば、翌週以降、再び上昇トレンドへ回帰する可能性が高いと思う。
予想レンジは4万9000円-5万1000円とする。
