【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 47,954.99 △104.05 (12/5)
NASDAQ: 23,578.13 △72.99 (12/5)
1.概況
米国市場は主要3指数が揃って上昇となりました。PCEデフレータといった物価指標や消費マインドの経済指標が発表される中、FRB(米連銀準備制度理事会)の追加利下げ観測を妨げるものでないとの見方が株式市場の後押しとなりました。
ダウ平均は28ドル高の47,879ドルと小幅高で取引を開始しました。朝方は堅調な推移となり、上げ幅を拡大すると早々に282ドル高のこの日の高値48,133ドルをつけました。その後は伸び悩み、上げ幅を縮小するも底堅い推移となったダウ平均は、最終的に104ドル高の47,954ドルと反発して取引を終えました。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は72ポイント高の23,578ポイント、S&P500株価指数も13ポイント高の6,870ポイントで共に4日続伸となりました。
2.経済指標等
9月のPCEコアデフレータは前年比2.8%上昇、前月比は0.2%上昇と共に市場予想と一致する結果となりました。また、12月のミシガン大学消費者信頼感指数の速報値は53.3と市場予想の52.0から拡大となりました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち5業種が上昇しました。コミュニケーション・サービスが1.0%高でセクターの上昇率トップとなりました。そのほか情報技術や一般消費財・サービスなどが1%未満の上昇となりました。一方で公益事業が1.0%安となったほか、エネルギーやヘルスケアが1%未満の下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中13銘柄が上昇しました。セールスフォース[CRM]が5.3%高と連日で大幅上昇となり、ゴールドマン・サックス[GS]が2.0%高となりました。また、ビザ[V]とベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が1%台の上昇となりました。一方で17銘柄が下落し、アムジェン[AMGN]が3.0%安で構成銘柄中の下落率トップとなりました。また、シェブロン[CVX]など、計4銘柄が1%台の下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、ワーナーブラザース・ディスカバリー・インク[WBD]の映画及びストリーミング部門の買収を発表したネットフリックス[NFLX]は、米政権が独占禁止法上の懸念を示し、2.9%安となりました。一方、ワーナーブラザース・ディスカバリー・インクは6.3%高と大幅上昇高となりました。企業向けハード・ソフトウェアを提供するヒューレット・パッカード・エンタープライズ[HPE]は、売上は市場予想に届かなかったものの、利益予想は市場予想を上回ったことで1.9%高となりました。
5.為替・金利等
長期金利は、前日比0.03%高い4.13%となりました。8日朝のドル円は155円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
先週末の米国市場は主要3指数が揃って上昇しました。この流れを受けて、週明けの日本市場は小幅ながらも買いが優勢でのスタートが見込まれます。日中の材料には、7-9月期のGDP改定値や10月の毎月勤労統計調査による実質賃金の発表が予定されています。今週は9・10日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が予定されており、週前半はその結果を前に小動きでの展開が予想されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
