2025年11月28日(金)8:30発表
日本 東京都区部消費者物価指数2025年11月分速報

【1】結果:東京コアCPIは前年同月比2.8%上昇 前月から横ばい

【図表1】東京CPI 2025年11月速報値結果
出所:総務省よりマネックス証券作成

2025年11月の東京都区部消費者物価指数(以下、東京CPI)は、ヘッドラインの総合指数が前年同月比2.7%上昇と、前回10月から横ばいとなりました。
コア指標である生鮮食品を除く総合指数、コアコアCPIと称される生鮮食品・エネルギー除く総合指数は、2指数そろって同2.8%上昇し、こちらも前回10月から横ばいとなりました(図表1、2)。

【図表2】東京CPIの推移(前年同月比、%)
出所:総務省よりマネックス証券作成

食料は前年同月比5.5%上昇と10月の同5.8%上昇から伸びが鈍化し、高いながらも緩やかな減速基調がみられた一方で、電気代や宿泊料に上昇がみられたほか、衣服などの財にインフレ加速の傾向がみられました。全体としても下げ止まりの様子がうかがえます。

【2】内容・注目点:サービスインフレは底堅く、この点は利上げ後押しか

東京都区部のサービスCPIは前年同月比1.5%上昇と前月から0.1%ポイント伸びが鈍化しました(図表3)。一般の家事関連サービスが同2.3%上昇と、前回の同2.7%上昇から低下したことが主因ですが、サービス全般では横ばい圏での推移と評価され、特段、サービスインフレが弱まったとは判断できないものでしょう。

【図表3】サービスCPIの推移(前年同月比、%)
出所:総務省よりマネックス証券作成

サービスの中でもより賃金動向の観点で注目される一般サービス(※)は同2.4%上昇(図表4、水色)と、前月から横ばいとなりました。それ以外のサービスや賃金関連の指標を見ても、企業向けサービス価格指数(図表4、黒)は同2.7%上昇と、前月から伸びが鈍化しています。しかし、水準としては2%台後半と強く、やはりサービス全体のインフレ動向は堅調であると判断され、この点は日銀による政策金利引き上げを後押しする内容と考えられます。

(※)対象には学校給食や、電車運賃などで構成される「公共サービス」が含まれます)

【図表4】サービス関連の賃金、物価指標の推移(前年同月比、%)
出所:総務省、日本銀行、厚生労働省よりマネックス証券作成

【3】所感:2026年度の賃上げ要求も徐々に出る中、12月1日植田総裁の発言に注目

インフレ状況は根強く、食料などのコストプッシュインフレは低下基調であるものの、そのペースは緩やかなものであることから、2026年度においては比較的スティッキー(粘っこい、持続的)なインフレが想定されると考えています。日銀の経済見通しでは、2026年度はインフレに鈍化がみられるとの想定ですが、上振れリスクが意識されるでしょう(図表5)。

【図表5】日銀と市場の物価見通し(前年比、%)
出所:日本銀行、ブルームバーグよりマネックス証券作成

前回の日銀金融政策決定会合から、数人の政策委員による講演などの場がありました。早期利上げを意識させる内容もあり、この冬に1回の利上げは相応にあるものと考えられます。足元では製造業が2026年度の春闘にて約4%のベースアップを要求したと報じられており、今後も2024年並みとはいかずとも堅調な賃上げ要求が出されていくと想定されます。

来週12月1日には植田総裁が名古屋で発言する場もあり、春闘の動向に注目すると話していた同氏の最新の経済見通しが注目されます。場合によっては12月の金融政策決定会合での利上げを想定する必要があるでしょう。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太