【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 46,316.07  △68.78 (9/29)
NASDAQ: 22,591.15  △107.09 (9/29)

1.概況

前日の米国市場は主要3指数が揃って続伸しました。先行きの利下げ期待が引き続き支えとなり、買いが優勢となりました。前週末発表の8月の米PCE価格指数が市場予想と一致し、インフレ圧力が想定の範囲内と受け止められたことに加え、直近では経済活動や労働市場の底堅さを示唆する指標が目立っていたことから、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げが続くとの見方が強まり株式市場を支えました。

ダウ平均は59ドル高の46,306ドルで取引を開始しました。本日30日の会計年度末までに「つなぎ予算」が成立せず、米連邦政府が一部閉鎖する可能性から、ダウ平均は朝高後は下落しました。小幅安での推移後、後半にかけて持ち直したダウ平均は最終的に68ドル高の46,316ドルで取引を終えました。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は107ポイント高の22,591ポイントで取引を終えました。S&P500株価指数も17ポイント高の6,661ポイントで取引を終えました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち9業種が1%未満の小幅高となりました。一方で2業種が下落し、原油安からエネルギーが1.9%安となったほか、コミュニケーション・サービスが1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中20銘柄が上昇となりました。エヌビディア[NVDA]が2.1%高となり構成銘柄中の上昇率トップとなりました。キャタピラー[CAT]など計4銘柄が1%台の上昇となりました。一方で10銘柄が下落し、シェブロン[CVX]が2.5%安で下落率トップとなりました。そのほか、ボーイング[BA]とアイビーエム[IBM]の2社が1%台の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、半導体メモリーのウェスタン・デジタル[WDC]がアナリストによる目標株価の引き上げを受けて9.2%高となりました。ビデオゲーム開発会社のエレクトロニック・アーツ[EA]は機関投資家などに550億ドルで自社を売却して非公開化するとの報道を受けて買われ、4.5%高となりました。エクソン・モービル[XOM]は原油安を背景に2.6%安となりました。

5.為替・金利等

長期金利は、前日から0.03%低い4.14%となりました。30日朝のドル円は148円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場は米連邦政府が一部閉鎖する可能性が意識されて株価の重荷となるも、主要3指数は小幅高で取引を終えました。これを受けて、日本市場も買いが優勢でのスタートが予想されます。

一方で、上値を目指す材料には欠けることから、小動きでの展開となっていくものと考えられます。日中の材料は、8月の鉱工業生産指数が発表されるほか、9月半ばの金融政策決定会合における主な意見の公表があげられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)