インデックス運用とは市場平均に連動させる運用方法です。個別銘柄を選択してインデックス以上のリターンを上げようとするアクティブ運用の対極にある運用手法です。株式型のインデックスファンドを使えば、上場企業の時価総額の動きに応じた資産の増加が期待でき、リスクを分散しながら経済成長と共に資産を増やしていくことが可能になります。
私はグローバルな株式運用に関しては基本的にインデックスに連動する投資信託やETFを活用することを提唱しています。その理由はいくつかあります。
インデックス運用の3つのメリット
1.低コスト
株式のアクティブ運用と比較した場合のインデックス運用のメリットは、低コストと高い運用パフォーマンスです。例えば、日本株式に投資するインデックスファンドとアクティブファンドを比較した場合、TOPIXに連動するインデックスファンドの信託報酬は0.1%以下であるのに対し、アクティブ型は1%を超えるものが珍しくありません。
日本株式に限らずインデックスファンドは圧倒的に低コストです。
2.高パフォーマンス
しかも運用成果を見ても、例えば日本株でアクティブファンドが健闘したと言われる2025年でさえ、インデックスファンドを上回ったアクティブファンドの数は50%未満です。プロのファンドマネージャーの運用であってもインデックスファンドを上回るのは簡単ではありません。個人投資家が銘柄を選んで投資をしても、インデックスファンドに勝てる可能性はさらに低いでしょう。これは日本株以外の外国株でも同じような結果になっています。
3.銘柄分散が徹底
さらに重要なのは、インデックスファンドは銘柄分散が徹底されており、アクティブファンドに比べ個別銘柄による変動が小さく、リスクコントロールが可能になるのです。
株式型インデックスの米国株問題
しかし、インデックス運用の分散効果のメリットを脅かすようなマーケットの変化が株式市場で起こっています。例えば全世界の株式市場の動きを捉える代表的な株価指数であるMSCI ACWI指数を使ってグローバルに見ると、時価総額の大きな企業はトップ10の銘柄のうち9位までが米国株です(2025年12月31日時点)。エヌビディア[NVDA]、アップル[AAPL]、マイクロソフト[MSFT]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、アルファベット(グーグル)[GOOGL]、ブロードコム[AVGO]、メタ・プラットフォームズ(フェイスブック)[META]、テスラ[TSLA]で構成されるマグニフィセント・セブンを含む米国の巨大テクノロジー企業で占められており、世界の株式市場での時価総額比率は25%近くになります。
時価総額に応じた比率ですから間違っているわけではありませんが、株式インデックスが米国の特定の業種の特定の銘柄に偏っています。その結果、米国の大手テクノロジー企業の株価の動きがインデックスに大きく影響するようになり、インデックス運用のメリットである分散効果を弱めている状態だと考えられます。
インデックスファンドは投資対象別に組み合わせる
世界株式の代表的なインデックスであるMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスの2025年12月31日時点の国別構成を見ても米国が約64%と突出しており、日本はわずか5%足らずです。また米国を含む先進国が89%となり、新興国への比率は10%程度と低くなっています。このような世界株式のインデックスに連動する投資信託を活用すると、投資対象が外貨、その中でも米国、そして特定のテック銘柄に偏る問題が発生します。
それを解決する方法として、私は日本、日本を除く先進国、新興国の3つのインデックスファンドを組み合わせます。そしてそれぞれの比率をコントロールすることで銘柄の偏りを補正する方法を提案しています。この方法なら外国株に銘柄が偏り過ぎて外貨比率が高くなりすぎるデメリットも避けることが可能です。先進国と新興国の比率をコントロールすれば米国株の比率も下げられます。
株式型インデックスファンド以外への分散も検討する
インデックスファンドの選択を工夫するだけではなく、そもそも株式型のインデックスファンド以外の投資商品への分散を進めることも大切です。
特に年齢を重ねるにつれて、キャピタルゲインを狙う株式型の資産から、インカムゲインを狙う債券や不動産のような資産に投資対象をシフトさせていくことが、将来のお金の不安を解消することに役立ちます。さらに、金(ゴールド)に代表されるようなコモディティや暗号資産などにも資金を配分すれば、保有資産全体のリスクが分散によって軽減されるため有効でしょう。
インデックス運用によって株式型資産に投資する方法はベターではありますが、ベストな方法とは限りません。マーケット環境の変化や自分自身の年齢や運用目的の変化に合わせて、資産の配分を柔軟に行い、リスクコントロールしていくことが長期の資産運用では大切です。
株式型資産のインデックス運用は金融資産の投資の基本ではあるが妄信してはいけない。これが今回の結論です。
