東京市場まとめ
1.概況
前日の米国市場で主要3指数が揃って最高値を更新した流れを引き継ぎ、日経平均は330円高の45,634円と、続伸して寄付きました。朝方は買いが優勢で、9時7分に549円高の45,852円を付け、本日の高値を更新しました。その後も堅調な推移となった日経平均は、348円高の45,652円で前引けとなりました。
後場は日銀金融政策決定会合の結果を受けて、急落となりました。政策金利は0.5%で据え置くも、日銀が保有するETFの売却を決定したことが売り材料となりました。13時ごろから急落した日経平均は、13時19分に807円安の44,495円を付け本日の安値を付けました。その後は持ち直し、節目の45,000円付近での推移となった日経平均は、最終的に257円安の45,045円で反落となりました。
新興市場では東証グロース250指数が3日ぶりに反発、1.5%高となりました。
2.個別銘柄等
川崎重工業(7012)は4.7%高の9,457円をつけ3日ぶりに大幅反発となりました。イスラエル軍が16日、パレスチナ自治区ガザ最大のガザ市で地上侵攻を開始したと伝わり、ロシアのウクライナ侵略に加え、中東情勢の緊迫化により世界的に自国の防衛意識が高まったことで国内の防衛関連銘柄に買いが入りました。
ニコン(7731)は6.8%高の1,880円を付け続伸となりました。「レイバン」などを手がける眼鏡メーカー世界大手の仏エシロール・ルックスオティカが同社株を買い増したことが明らかとなり、今後の経営にプラスになるとの見方が買い材料となりました。
三井住友フィナンシャルグループ(8316)は1.6%高の4,147円をつけ続伸となりました。日本経済新聞が、米投資銀行ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループに対し、1,200億円強の追加出資を行い現在14.5%の持ち分を20%に引き上げる方針を固めたと報じ、これによる成長投資を好感した買いが入りました。
再生細胞薬バイオベンチャーのサンバイオ(4592)は14.4%高の2,680円をつけ大幅反発となりました。18日、2026年1月期の中間決算の説明資料内で、外傷性脳損傷の治療製品「アクーゴ」について、FDA(米食品医薬品局)と第3相臨床試験の方式について合意したと明らかにし、これを材料視した買いが集まりました。
中古品買い取りのBuySell Technologies(7685)は0.8%高の3,830円をつけ3日ぶりに反発となりました。8月の月次報告で、仕入れ高は前年同月比77%増の10億円に、出張訪問数は65%増の3万1,747件とそれぞれ大幅に増加しました。当面の好材料出尽くしとの受け止めで売りが出るも、引けにかけて持ち直しました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は週間で0.6%高となりました。本日は、日銀が保有するETFの売却が売り材料となったほか、今週18日に終値で史上初の45,000円台をつけたことで、利益確定の売りが出ました。
来週は、22日に自民党総裁選が告示されるほか、26日には東京都区部消費者物価指数(CPI)や米国のPCE価格指数など、インフレ指標に注目が集まります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
