【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 44,173.64 △585.06 (8/4)
NASDAQ: 21,053.58 △403.45 (8/4)
1.概況
前日の米国市場は主要3指数が揃って反発となりました。先週末の米国市場は弱い雇用統計の内容を受けて大幅安となっていたところ、景気懸念からFRB(米連邦準備制度理事会)の早期利下げ観測が買い材料となりました。ダウ平均は135ドル高の43,724ドルで取引を開始しました。退任を発表したクグラーFRB理事の後任をトランプ米大統領が数日以内に発表すると伝わり、金融緩和に積極的な人物を指名するとの見方も利下げ観測を後押ししました。ダウ平均は徐々に上げ幅を拡大し、最終的には585ドル高の44,173ドルで取引を終えました。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は403ポイント高の21,053ポイントで3日ぶりに反発となりました。S&P500株価指数は91ポイント高の6,329ポイントとなり、5日ぶりに反発となりました。
2.経済指標等
7月の製造業新規受注は、前月比4.8%減と市場予想の同5.0%を小幅に下回りました。前回6月の修正値8.3%増から振れが大きく推移しています。耐久財受注は前月比9.4%減と市場予想の9.3%減と概ね一致する結果となりました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち10業種が上昇しました。コミュニケーション・サービスと情報技術の2セクターが2%以上の上昇となったほか、 公益事業など3セクターが1%以上上昇しました。一方でエネルギーのみ0.4%の下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中、28銘柄が上昇しました。上昇率トップはエヌビディア[NVDA]で3%後半台の上昇となりました。スリーエム[MMM]やウォルト・ディズニー[DIS]など計6銘柄が2%台の上昇となりました。一方で、アマゾン・ドットコム[AMZN]が1%半ばの下落率となり、原油価格の下落が株価を下押したシェブロン[CVX]が小幅安となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、テスラ[TSLA]がイーロン・マスクCEOに対し290億ドル相当の暫定的な株式報酬を承認し、同氏の留任を確実にし、経営に専念させるとの見方が好感され2.2%上昇となりました。タイソン・フーズ[TSN]は好調な決算内容と商品の値上げなどから先行きの売上高見通しを引き上げたことで買われ、2.4%上昇しました。パワー半導体のオン・セミコンダクター・コーポレーション[ON]は利益率の悪化が売り材料となり15.6%下落しました。また、バークシャー・ハサウェイ[BRK.B]はクラフト・ハインツ[KHC]にかかる38億ドルの減損を計上したことが嫌気され2.9%下落となりました。
5.為替・金利等
長期金利は、前日から0.03%低い4.19%となりました。5日朝のドル円は146円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場で主力株やハイテク株など幅広い銘柄が買われたことで、日本市場も上昇してのスタートが予想されます。また、日中にも決算発表が行われる銘柄が複数あり、これらに売買が集まる可能性があるでしょう。取引時間中の決算銘柄は、エーザイ(4523)、日本郵船(9101)、マツダ(7261)、三菱重工業(7011)などが予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
