東京市場まとめ

1.概況

日経平均は69円高の40,744円で寄付きました。買いが先行して始まるも、早々に下落に転じ、序盤は前日終値である40,674円付近で一進一退での推移となりました。次第に弱含んだ日経平均は9時52分に117円安の40,556円をつけ本日の安値を更新しました。その後は持ち直し、前場の後半にかけて下げ幅を縮小すると、前引け間際に上昇に転じ7円高の40,682円で午前の取引を終えました。

後場は50円程高い40,726円でスタートしました。FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果公表を控えるなど、重要イベントを前に徐々に伸び悩み、後場の後半は再び下落しての推移となりました。大引けにかけて下げ幅を縮小し、最終的には19円安の40,654円で取引を終えました。

新興市場では東証グロース250指数が反発、0.4%高となりました。

2.個別銘柄等

フジクラ(5803)は一時9.8%高の9,813円をつけ上場来高値を更新しました。29日の米国市場では光ファイバーや液晶向けガラス基板などを手掛ける米コーニング[GLW]が一時13.7%高と急伸し、同業のAI向け製品需要が堅調であったことから同社の業績拡大を期待した連想買いが入りました。

キーエンス(6861)は4.8%安の54,600円をつけ続落となりました。29日発表した2026年3月期の第1四半期決算は、営業利益が前年同期比4.8%増の1,293億円と市場予想を下回り、市場では物足りないとの受け止めから売りが出ました。

ANAホールディングス(9202)は4.1%安の2,795.5円をつけ続落となりました。29日に発表した2026年3月期第1四半期決算は営業利益が前年同期比21.2%増の367億円と堅調であるも、直近は高値圏で推移していたことから材料出尽くしの売りが出ました。

住友ファーマ(4506)は一時17.3%高の1,334円をつけ年初来高値を更新しました。外資系証券が同社の投資判断を3段階で真ん中の「ニュートラル(中立)」から最上位の「オーバーウエート(買い)」に、目標株価も従来の600円から1,600円に上方修正したことで、これを材料視した買いが入りました。

オンラインゲーム開発のAiming(3911)は21.3%高の291円をつけ大幅反発となりました。2026年12月期の中間決算は、最終損益が8億2,700万円の黒字と前年同期の9億3,400万円の赤字から大幅な増益転換となり、また半期の会社計画であった4億2,300万円の黒字を上振れして着地したことを好感した買いが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は4日続落となりました。イベント前に積極的に買い向かう姿勢は見られず、方向感に欠ける展開となりました。明日に向けて、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果に注目が集まります。

今回の会合では利下げは見送られ9月会合での利下げが大方の市場予想ですが、ウォラー理事など一部の委員が政策金利の現状維持反対票をいれるとの声もあり、委員会のメンバー間で見通しの隔たりが示される可能性と、トランプ米大統領が引き続きパウエル議長にプレッシャーをかけることも相まって、サプライズ的な利下げもあり得ると考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)