2025年の相場は上昇力を取り戻す展開になると予想

日経平均株価は2024年7月に終値ベースの史上最高値を更新して、4万2224円をつけました。1989年のバブル時高値を超えたことで、中長期目線では青天井の状況と考えています。8月の急落後の戻りは踊り場を形成している状態が続いていますが、2025年の相場は上昇力を取り戻す展開とみています。

1~2月は米国景気の底堅さや、中国景気が少し改善基調を示すなど景気の持ち直し感が浮上することで、株価上昇に勢いがつくと予想します。一方、3~5月にはトランプ米次期大統領の発言や政策などによって株価が下落し、リスク回避となる場面があるとみています。ただ、その後は後半に向けて緩やかに上昇していくのではないでしょうか。米国の利下げや日本の利上げは手じまいとなり、米ドル円は円安進行を想定しています。年間ベースの高値水準としては日経平均株価で4万5000円程度、時期としては2月か8月と予想します。

日米株の相対比較は日本株優位に転じる公算が大きい

日米の相対比較では、年前半は日本株優位を予想しています。TOPIX(東証株価指数)をS&P500で割った相対指数は2023年後半から低下が続いており、2024年も米国株優位でした。しかし、11月にはかつて日本株が優位に転じた水準まで低下しており、上昇(日本株優位)に転じる公算が大きいでしょう。

TOPIXは7月高値から調整が長引いていることで米国株よりも先に調整が一巡し、年前半は相対的に強含む場面が想定されます。東京市場の時価総額上位の大型株をみると12月に年初来高値を更新した銘柄が意外と多く、指数の先高指向を示唆しています。

同じ業種でも企業群の中で選別が進む

業種の中でも銘柄ごとの明暗や強弱がかなり分かれる年になるとみています。自動車ではトヨタ自動車(7203)、本田技研工業(7267)、スズキ(7269)、電機ではソニーグループ(6758)、銀行ではメガバンクに注目します。特に自動車業界は2024年後半の下落で全般的に安値水準となりましたが、その中でも成長性や株主還元意欲があるかどうかで株価の動きに差が出るでしょう。

また、2023年末から2024年春にかけて半導体関連が総じて買われる場面もありましたが、2025年は半導体関連の中でも強弱が明確に分かれることが予想されます。

企業群の中で選別が進むという点では、成長性が期待されて高PERのグロース系銘柄も同じです。グロース市場を全体として評価するのではなく、株価の下落局面でしっかり押し目買いが入り、上昇基調を維持している個別銘柄をみつけていくのが得策でしょう。