東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は円高を受けて7日続落となりました。129円安の36,029円で寄り付いた日経平均は直後に102円安の36,056円を付けた後下げ幅を広げると10時40分前に428円安の35,730円まで下落しましたが、売り一巡後に持ち直すと291円安の35,867円で前場を終えました。

341円安の35,817円でスタートした後場の日経平均は一段安になると14時30分前に905円安の35,253円まで下落しました。その後下げ渋ると引けにかけて持ち直しましたが、引き続き大幅安で推移すると結局539円安の35,619円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

一時140円台を付けた円高を受けて自動車株が売られました。トヨタ(7203)が一時4.3%安、日産(7201)が一時4.4%安、ホンダ(7267)が一時4.2%安、マツダ(7261)が一時4.9%安、SUBARU(7270)も一時6.0%安となりました。

原油先物価格の下落を受けて石油関連株も売られました。INPEX(1605)が一時5.3%安、石油資源開発(1662)が一時4.9%安、出光興産(5019)が一時4.4%安、ENEOSホールディングス(5020)が一時4.5%安、コスモエネルギーホールディングス(5021)も一時5.6%安となりました。

上期決算を発表した三井ハイテック(6966)も16.1%下落しストップ安となり、年初来安値を更新しました。各種半導体の最終需要低迷や一部在庫調整の長期化による受注減少により、2025年1月期の営業利益の見通しを210億円から130億円に下方修正したことで売りが膨らみました。

良品計画(7453)も一時7.4%安となりました。8月の中国大陸の直営既存店とオンラインストアの売上高が前年同月比で12%減となったことから大幅安となりました。

また、アマダ(6113)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時5.9%安となり、DMG森精機(6141)も目標株価の引き下げを受けて一時4.3%安となりました。

一方で三井物産(8031)が一時4.7%高となりました。5月に発表した最大2000億円の自社株買いの取得枠を最大4000億円に拡大すると発表したことで上げ幅を広げる場面がありました。

gumi(3903)も一時14.9%高となりました。スマホ向けゲームの不採算タイトルの撤退などで開発費用が減少したことなどにより第1四半期の営業損益が6500万円の黒字となり、6四半期ぶりに黒字に転換したことで大幅高となりました。

さらに目標株価の引き上げを受けてインターネットイニシアティブ(3774)や富士通(6702)が高く、インターネットイニシアティブが一時3.6%高となったほか、富士通も一時4.7%高となり年初来高値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は539円安となりました。日銀の中川順子審議委員が金融経済懇談会で追加利上げに前向きな姿勢を示したことなどにより、一時140円台後半まで円高が進んだことから大きく下げ幅を広げ、一時は900円以上下落する場面もありました。

そのため二番底への警戒感が一段と強まりそうですが、この7日間で3,000円以上も下げたことから自律反発を期待する見方も出てきそうです。

なお、日本時間の21時30分には8月の米消費者物価指数(CPI)が発表される予定です。来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることもあり結果が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)