東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。43円安の38,066円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分で198円安の37,911円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと54円安の38,055円で前場を終えました。

7円安の38,102円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎにプラスに転じると、14時50分過ぎに255円高の38,365円まで上昇し結局178円高の38,288円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

セブン&アイ・ホールディングス(3382)が一時5.8%高となりました。カナダのアリマンタシォン・クシュタールによる買収提案について、セブン&アイ・ホールディングスの上場来高値を約5割上回る8兆円規模となっても推し進めてくる可能性があると報じられたことに加え、買収資金を負債や株主である年金基金からの資金を活用する可能性があると伝わったこともあり上げ幅を広げました。

IoTサービスを展開するFIG(4392)も28.3%上昇しストップ高となりました。最先端ロジック半導体の国産化を目指すラピダスが北海道千歳市に建設する半導体工場に、グループ会社が開発する搬送ロボットを導入することが決まったと発表したことで買いを集めました。

また、ニッスイ(1332)が目標株価の引き上げを受けて一時4.6%高となり、日清食品ホールディングス(2897)も投資判断の引き上げを受けて一時4.1%高となりました。

さらに東証スタンダード市場では注文住宅の設計・施工を手掛けるKHC(1451)が21.4%上昇し、ストップ高となり年初来高値を更新しました。ファースト住建(8917)が1株あたり1,127円でTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したことで大幅高となりました。

一方で昨日の米国市場で半導体株が売られた流れを受けて日本市場でも半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が一時3.0%安、レーザーテック(6920)が一時5.9%安、アドバンテスト(6857)が一時3.0%安、ディスコ(6146)も一時3.9%安となりました。

マルハニチロ(1333)も一時7.0%安となりました。東京海上日動火災保険や農林中央金庫、損害保険ジャパンなど株主の金融8社が9月中にマルハニチロの株式325万8100株を売り出すと発表したことから株式需給の悪化を警戒した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は178円高となりました。米ハイテク株安を受けて売りが先行し200円近く下げる場面もありましたが、節目の38,000円を下回ったところで押し目買いが入ると持ち直し買いが優勢となりました。そのため38,000円を割り込んだところでの底堅さが改めて意識されそうです。

なお、日本時間の22時に6月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数が発表されるほか、23時には8月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)