【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 40,347.97  ▼494.82 (8/1)
NASDAQ: 17,194.15  ▼405.26 (8/1)

1.概況

米国市場は米ISM製造業景況感指数が市場予想を下回ったことなどで景気減速懸念が意識され大幅反落となりました。利下げへの期待から74ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に253ドル高まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ大きく下げ幅を広げ取引終盤には744ドル安まで下落しました。その後は引けにかけて持ち直しましたが、上値は重く結局494ドル安の40,347ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も405ポイント安の17,194ポイントと反落となりました。

2.経済指標等

7月の米ISM製造業景況感指数は46.8と前月から低下し市場予想も下回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比1万4000件増の24万9000件となり市場予想以上に悪化しました。6月の米建設支出も前月比0.3%減となり市場予想を下回っています。一方で4-6月の米労働生産性指数速報値は年率換算で前期比2.3%上昇し市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、情報技術が3%を超える下落となったほか、エネルギーと一般消費財・サービスも2%以上下げています。また、資本財・サービスも2%近く下落し、金融も1%以上下げています。一方で5業種が上げ、公益事業が2%近く上昇し、不動産と生活必需品、ヘルスケアも1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中21銘柄が下げ、ボーイング[BA]が6%を超える下落となったほか、インテル[INTC]も5%以上下げました。シェブロン[CVX]も5%近く下落し、キャタピラー[CAT]も4%以上下げています。また、アマゾン・ドット・コム[AMZN]は1%を超える下落でしたが、取引終了後に発表した決算で売上高が市場予想を下回ったことから時間外取引で一段安となっています。一方で9銘柄が上げ、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]が3%余り上昇しています。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体関連株の下げが目立ち、半導体株ではクアルコム[QCOM]とウエスタン・デジタル[WDC]が9%を超える下落となり、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とブロードコム[AVGO]も8%以上下げました。マイクロン・テクノロジー[MU]も7%を上回る下落となり、エヌビディア[NVDA]も6%以上下げています。半導体製造装置株ではラム・リサーチ[LRCX]が10%近く下落し、KLA[KLAC]も8%余り下げました。アプライド・マテリアルズ[AMAT]も7%を超える下落となっています。さらに英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]も15%以上下げています。主力ハイテク株ではテスラ[TSLA]が6%を超える下落となりましたが、市場予想を上回る決算を発表したフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]は5%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は米国景気の鈍化を示す指標の発表を受けて0.06%低い3.97%となりました。ドル円は149円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて大幅下落でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は下値模索の展開となりそうで、200日移動平均線(昨日時点で36,837円)を維持できるかがポイントとなります。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)