【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 39,375.87 △67.87 (7/5)
NASDAQ: 18,352.76 △164.46 (7/5)
1.概況
先週末の米国市場は米雇用統計の結果を受けて労働需給が総じて緩和しているとの見方から9月の利下げ観測が強まり上昇となりました。5ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に139ドル安まで下落したあと下げ渋ると一進一退の展開がしばらく続きましたが、取引終盤に買いが優勢となり引けにかけてやや上げ幅を広げると結局67ドル高の39,375ドルで取引を終え反発となりました。また、S&P500株価指数が30ポイント高の5,567ポイントと4日続伸となり3日連続で史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も164ポイント高の18,352ポイントとなり、4日連続で史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比20万6000人増となり市場予想を上回りました。一方で5月の非農業部門雇用者数は27万2000人増から21万8000人増に、4月は16万5000人増から10万8000人増に下方修正され、3ヶ月移動平均は17万7000人増と2023年8月以来の低い伸びとなっています。また、失業率は4.1%と前月の4.0%から上昇し、横ばいを見込んでいた市場予想に反し悪化しました。さらに平均時給は前年同月比3.9%上昇と前月から伸びが鈍化し市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、コミュニケーション・サービスが2%を超える上昇となったほか、生活必需品も1%以上上げています。一方で3業種が下げ、エネルギーが1%を上回る下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではウォルマート[WMT]とインテル[INTC]、アップル[AAPL]が2%を超える上昇となったほか、マイクロソフト[MSFT]とアマゾン・ドット・コム[AMZN]も1%以上上げています。一方でシェブロン[CVX]とJPモルガン・チェース[JPM]、ダウ[DOW]が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株が高くフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]が6%近く上げ上場来高値を更新したうえ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]とテスラ[TSLA]も2%以上上昇しています。また、半導体関連株では、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が5%近く上げ、英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]も7%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は米雇用統計を受けて9月の米利下げ観測が強まり0.08%低い4.28%となりました。ドル円は160円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。日経平均は史上最高値を更新しそうですが、決算日を迎える上場投資信託(ETF)の分配金の捻出売りが予想されるなかでどこまで上値を伸ばすことができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)