今週(6月7日~13日)の相場動向
相場回顧 BTC:米国の利下げ観測が後退し急落
ビットコインは、米国で主要経済指標および米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて利下げ観測が後退し、売り優勢の展開となった。
5月の米雇用統計が市場予想を大幅に上回ったことを受けて、米国金利が急騰し、ビットコインは急落した。BTC=1,099万円(70,000ドル)を割り込んでからは買い戻しが強まったが、6月11日には米消費者物価指数(CPI)の発表を前に警戒感が強まり、BTC=1,036万円(66,000ドル)付近までさらに急落した。
その後、CPIが2ヶ月連続で低下し、発表直後にはインフレ鈍化への期待でBTC=1,099万円(70,000ドル)付近まで急回復した。しかし、後続のFOMCで金利据え置きが発表され、年内の利下げ回数予想が1回に減少すると、たちまち売りが強まった。ビットコイン現物ETFからの資金流出も拡大し、BTC=1,052万円(67,000ドル)付近まで価格を下げた。
来週(6月14日~20日)の相場予想
BTCはFOMC後の短期的な売りに警戒だが底堅い推移を予想、トランプ前大統領発言が注目を集める
米国では、FOMCを受けて、利下げ開始時期が後ずれするとの見通しが強まり、年内の利下げ回数予想も減少した。一方で、2025年には複数回の利下げが予想されており、利下げ方針はブレていない。この点を踏まえれば、短期的にリスク資産の売りが強まることは考えられる。これに伴い、リスク資産の典型である暗号資産が米国株に先行して一時的に下落する可能性はあるものの、現状では金融市場全体として相場が大きく崩れる可能性は低いだろう。
また、米国大統領選挙に関連して、トランプ前大統領が暗号資産支持者層を取り込もうとする動きが目立っている。SNSでは「We want all the remaining Bitcoin to be MADE IN THE USA!!!(残りのビットコインは全て米国で採掘したい!)」と発言し話題を呼んだ。このような政治的な思惑の中で暗号資産、ビットコインへの注目が高まり、相場にもポジティブな影響が及ぶ可能性はある。これを受け、バイデン大統領がどのような対抗策を講じるかにも注目したい。
直近、上値としてBTC=1,099万円(70,000ドル)、下値としてBTC=1,020万円(65,000ドル)を意識する。