中東情勢は、さらに混沌の度合いを強めてきました。WTI原油先物価格は週末(3月7日~8日)から大きく跳ね上がっており、東京時間には一時116~119ドル近辺まで上昇しています。米国・イスラエル側はイランの石油関連設備への攻撃を開始し、一方のイラン側も近隣諸国の海水淡水化施設への攻撃を進めていることから、事態は泥沼化の様相を呈しています。

今週(3月9日週)は、中東諸国の生活インフラに関する看過できない事実が、次々と明らかになってくる可能性があります。

とりわけ飲料水の枯渇は死活問題です。過去にはドバイショックのような金融不安が市場を揺るがしましたが、今回は中東周辺でエネルギーと生活インフラの両面から大きな経済ショックが発生する可能性が出てくるかもしれません。

BTC(ビットコイン)は続落、売りトレード戦略を維持

BTC/JPY日足チャート分析です(図表1)。ポジション調整後は4営業日連続で陰線となっており、相場は続落傾向にあります。MACDは0.00付近まで回復してきており、再び下落トレンドの起点となりやすいタイミングに差しかかってきました。

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

2月初旬の急落から約1ヶ月が経過しました。この価格帯で推移しているということは、反発を主導するだけの資金フローが十分に入っていない証拠でもあります。こうした値動きを踏まえると、今一度下落トレンドが再開するのも時間の問題ではないかと予想しています。

4時間足チャート:安値割れ方向を意識、マーケットの地合いの弱さか

BTC/JPY4時間足チャート分析です(図表2)。今回の上昇は、ショートカバーが単発で入っただけだった可能性があります。

その証拠に、反落後はあっさりとSMA90(水色)とSMA200(橙)を下回る推移が再開されました。加えて、目立ったサポート水準が意識されることもなく、じりじりと値を下げる展開となっていたことからも、マーケットの地合いの弱さがうかがえます。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

しばらくは横ばい推移を挟んだ値動きとなることも予想されますが、週後半からさらに続落に向かう可能性が高いと考えており、引き続き売りトレード戦略を維持したいと思います。
3月は1,000万円割れから、さらに900万円方向を意識した展開を想定しています。買い戻しについては、3月20日以降をひとつの目安として考えています。

ETH(イーサリアム)は再び28万円方向を意識

ETH/JPY日足チャート分析です(図表3)。先週(3月2日週)の戻り高値は34万円台でしたが、そこからすでに10%程度の反落となっており、BTC同様に地合いは良好とは言えません。
MACDも同様に調整を終えつつあり、0.00ライン付近まで戻ってきました。現在はSMA30(黄色)とほぼ同水準で推移しており、いったんはサポートされているようにも見えます。しかし、3月9日から3月10日にかけてこの水準を明確に下回ってクローズするようであれば、下落トレンド再開のリスクは一段と高まると考えます。

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

原油価格の急騰に加え、ホルムズ海峡を行き交う交易物流の急激な減少は、世界経済に与えるインパクトが極めて大きいとみています。そのためETHについても、再び28万円割れの方向を意識しています。現状では、リスクオン資産へ積極的に資金が向かう環境にはなりにくいと判断しており、引き続き売りトレードを継続したいと思います。

今週(3月9日週)のポイント

・中東情勢は石油設備だけでなく、海水淡水化施設など生活インフラへの攻撃にも広がっており、事態は一段と深刻化している。
・WTI原油先物価格は急騰しており、エネルギー価格高騰を通じて世界経済へ大きなダメージを与える懸念が強まっている。
・BTCは日足・4時間足ともに地合いが弱く、反発は一時的なショートカバーにとどまった可能性が高い。
・BTC/JPYは1,000万円割れから900万円方向を意識する局面にあり、下落トレンド再開に警戒。
・ETHも戻り売り優勢の展開が続いており、28万円方向への下押しリスクを意識したい。
・原油高と物流停滞が続く限り、暗号資産を含むリスク資産全般には逆風が続きやすく、当面は慎重な売り戦略を維持したい。