東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に反落となりました。20円安の38,879円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分弱でプラスに転じましたが、81円高の38,981円で伸び悩むとマイナスとなり10時40分過ぎには143円安の38,756円まで下落しました。
その後は下げ渋ると持ち直しましたが、引き続き軟調に推移すると結局44円安の38,855円で取引を終えています。
一方でTOPIXが小幅に上げたほか、新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
東北電力(9506)が一時12.3%高となり年初来高値を更新しました。女川原子力発電所2号機の安全対策工事が完了し、2024年9月頃を想定している再稼働に向けて、「燃料装荷」や「原子炉起動」に係る各種試験・検査、作業などを進めていくと発表したことで、収益改善を期待した買いが入りました。
アイシン(7259)も一時2.6%高となりました。自動車部品のエクセディ(7278)との資本提携を解消すると発表し、売却で得た資金を電気自動車(EV)関連製品などの開発や株主還元に振り向けると伝わったことで買いが優勢となりました。
アイフル(8515)も一時8.4%高となりました。自己株式を除く発行済株式総数の1.24%にあたる600万株、20億円を上限に自社株買いを実施すると発表したことで大幅高となりました。
また、投資判断と目標株価の引き上げを受けてアズビル(6845)や大崎電気工業(6644)が高く、アズビルが一時4.4%高、大崎電気工業も一時9.9%高となりました。
一方でダイドーグループホールディングス(2590)が一時5.4%安となり年初来安値を更新しました。価格改定や天候不順が影響し、国内で飲料の販売数量が減少したことなどにより第1四半期の営業損益が6億円を超す赤字となったことで大幅安となりました。
日本新薬(4516)も19.6%下落しストップ安となり年初来安値を更新しました。中期経営計画で2029年3月期の営業利益を2024年3月期の333億円を下回る300億円とする目標を示したことや、筋ジストロフィー治療剤の国際共同治験で有効性が認められなかったと発表したことなどで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は44円安となりました。一時はプラスとなる場面もありましたが、長期金利が1.035%と2012年4月以来およそ12年ぶりの高水準をつけたこともあり節目の39,000円を前に伸び悩むと売りが優勢となりました。
そのため上値の重さがやや意識されそうで、今週は39,000円を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の23時には5月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)