今後はバリュー株の物色や個別株が盛り上がる可能性
今週の東京株式市場は4日間の立会いとなりますが、先週に比べると海外発の経済指標やイベント面ではやや材料難といったところでしょうか。週末にオプションSQを控える中、米金利動向や米国株の方向性に引き続き強く依存することになりそうです。
先週は米長期金利の上昇で、電機・精密などハイテクグロース株が軟調に推移しました。1月11日発表の米12月消費者物価指数(CPI)の内容が米国の早期利下げ期待を一段と後退させるような強めの結果となった場合、日米グロース株は相対的に買われづらく、国内ではバリュー株中心の物色が続くことが予想されます。
一方で、CPIがインフレ沈静化を示す内容であれば、直近の金利上昇・米ドル買いの反動が生じ、半導体関連を中心にグロース株への買い戻しが予想されます。ファーストリテイリング(9983)などの小売企業やグロース系企業を中心に決算発表も予定されており、個別株物色も盛り上がりが予想されます。
円安・米ドル高を生み出す背景
為替市場では2023年11月中旬以降の円高局面が一服しつつあり、国内企業の業績への懸念が一旦和らいでいる状況と見られます。電機・精密などのハイテクグロース株は急な金利上昇が伴うと目先の波乱要因にはなるものの、円安への反転は概ね業績面にはプラス要因となります。
また、能登半島地震による生産活動の落ち込みや政府による復旧対策の補正予算編成などで、日銀金融政策決定会合(1月22、23日)での早期マイナス金利解除が困難となり、3、4月会合でも金融政策正常化のハードルが高くなったとの見方が強まりつつあります。金利スワップ市場での利上げ確率は、1月の日銀金融政策決定会合では10%を割り込み、3月の会合は20%台へ低下しています。
そのような金融市場の織り込みが当面の円安・米ドル高という環境を作り出す可能性があり、日本株は高値更新を伺うムードが次第に強まる展開が予想されます。
日経平均は、2023年来高値を更新できるか
2024年の大発会は波乱の幕開けとなりましたが、日経平均株価は長い下ヒゲを形成して、押し目買い意欲の旺盛さを示しました。当面は25日移動平均線(33,158円、1月5日)上でのもみ合いから上放れることができるかが注目ポイントとなり、2023年7月につけた終値ベースの2023年来高値(33,753円)を更新できるかが焦点となります。
日柄面では、2023年7月3日高値から10月4日安値までの期間は一目均衡表の基本数値にあたる「65」日。10月4日安値や10月26日安値から「65」日が経過する1月第2週や、2月第1週あたりからの動きが重要となります。