今週(9月29日~10月5日)の相場動向

相場回顧 BTC:米国政府閉鎖回避などにより堅調推移

ビットコインは堅調に推移した。米国でブラックロックを含む複数のビットコイン現物ETFの審査が延期となり、売りが強まる場面も見られた。しかし、期限直前につなぎ予算が可決され、政府閉鎖が回避されるとリスクオンが強まって買いの勢いを取り戻した。

10月2日にはドミナンスの上昇とともにBTC=425万円(28,500ドル)付近まで急騰したが、ボウマン米連邦準備制度理事会(FRB)理事の発言などを受けて金利高止まりへの懸念が高まり、米国金利が上昇する中でたちまちBTC=410万円(27,500ドル)付近まで急落した。マッカーシー米下院議長の史上初となる解任によって政治的不安が強まったことや、イーサリアム先物ETFの取引初日が低調だったことも嫌気された。

しかし、10月3日に米国地方裁が米証券取引員会(SEC)によるリップル社への中間控訴の申し入れを拒否したとの報道を受けてXRPが急騰し、ビットコインも連れ高した。その後は米9月ADP雇用統計や米9月ISM関連指数が軟調となったことで米国金利の上昇が一服したが、10月6日発表の米9月雇用統計を前に様子見ムードが広がった。

来週(10月6日~10月12日)の相場予想

BTCは米国の金利動向に再び左右される展開を予想、FOMC議事要旨や米9月CPIに注目

米国では11月17日までのつなぎ予算が可決され、政府閉鎖の事態はひとまず回避された。正式な予算が成立するまでは不透明な状況が続くが、猶予期間ができたことで安心感から買いが強まることは考えられる。一方、市場の関心は再び金利動向へとシフトし、来週の米連邦公開市場員会(FOMC)議事要旨がタカ派寄りの内容となった場合や、米9月消費者物価指数でインフレ継続が示唆された時には利上げ観測の高まりによって売りが強まる可能性もあるだろう。

またマッカーシー米下院議長の後任にも注目が集まっている。後任が誰になるかによって米国における暗号資産規制の方針に影響が及ぶことが予想されるためだ。臨時議長に選ばれたマクヘンリー氏は過去に暗号資産関連法案を提出したことのある親クリプト派として知られており、この他にも暗号資産に理解のある人物が新議長に就任した時にはマーケットは好意的に受け取るだろう。

その他、米SECはビットコイン現物ETFの審査を相次いで延期しており、年内の承認に向けた期待は後退している。

直近、上値として今週の高値付近であるBTC=425万円(28,500ドル)、下値として前月の安値付近であるBTC=372万円(25,000ドル)を意識する。