今週(2月6日~2月12日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):タカ派人事と地政学リスクで急落、雇用統計後も軟調推移
ビットコインは、次期FRB議長指名を契機としたタカ派色の強まりを背景に急落し、その後いったん反発するも、米雇用統計や規制審議の難航、地政学リスクが意識されるなかで下落基調が継続した。
トランプ米大統領が次期FRB議長にウォーシュ氏を指名。同氏は従来から金融引き締めに前向きな姿勢を示していたため、米国における利下げ観測が後退した。これを受け、金・銀などの貴金属が急落し、米国株も売り優勢となるなか、ビットコインも連れ安となって一時BTC=60,000ドル(約918万円)付近まで急落した。
株式市場や貴金属の下げが一服すると、短期的な売られすぎ感が意識され、ビットコインもBTC=70,000ドル(約1,071万円)付近まで急反発した。
しかし、その後も米雇用統計の発表を控えた警戒感に加え、米国で暗号資産関連のCLARITY法案が協議難航と伝わったことが市場心理を冷やし、売り優勢の展開となった。また、米国とイランの緊張が高まったことで地政学リスクが意識され、投資家のリスク回避姿勢が強まったことも相場の上値を抑えた。
この間、日本では自民党が衆議院選挙で圧勝し、日本株が連日で急騰する展開となったが、ビットコインへの影響は限定的にとどまった。
2月11日に発表された米雇用統計が市場予想を上回る堅調な内容となったことで、米国金利は高止まりするとの見方が強まった。さらに、暗号資産取引・レンディング企業ブロックフィルズで入出金停止が伝わり、2022年のセルシウスやブロックファイなどの連鎖破綻を想起させる形で信用不安が再燃。こうした悪材料が相次ぐなかで、ビットコインは軟調な推移が続いた。
来週(2月13日~2月19日)の相場予想
BTC(ビットコイン)は米インフレ指標と信用不安をにらみ戻りの鈍い展開か
来週のビットコインは、米インフレ指標を受けた金利見通しの変化に左右される展開が想定される一方、ブロックフィルズの入出金停止を発端とする信用不安がくすぶり、上値の重い地合いが続きそうだ。
米消費者物価指数(CPI)および個人消費支出(PCE)がインフレの高止まりを示唆する内容となれば、利下げ観測は一段と後退し、リスク資産全般に売り圧力が波及する可能性がある。加えて、米国とイランを巡る中東情勢の緊迫化も、投資家のリスク回避姿勢を強める要因として警戒が必要である。
また、ブロックフィルズの入出金停止は、2022年のレンディング企業連鎖破綻を想起させる材料であり、市場心理の重石となっている。仮に同業他社に出金制限や資金繰り懸念が広がる兆候が確認されれば、リスク回避の動きが加速し、下方向のボラティリティが高まる恐れがある。下落局面では、暗号資産トレジャリー企業の財務リスクも意識されやすく、リスクが顕在化すればさらなる下落を招くだろう。
一方で、下支え材料としては、米CLARITY法案の審議動向が挙げられる。協議難航が伝わっているものの、3月に向けて合意形成の進展が示されれば、規制を巡る不透明感の後退から底打ち感が意識され、過度な売りが一服するきっかけになりうる。金融機関によるステーブルコイン参入やRWA領域での活用事例が増えており、こうした流れが続けば中期的な信認回復の土台となろう。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=75,000ドル(約1,147万円)、下値はBTC=55,000ドル(約841万円)を意識する。
