13日発表の米国8月消費者物価指数(CPI)がカギ

今週の焦点は、bad news is good news となるかどうか。弱い経済指標がFRBの利上げ打ち止め観測を高め、米長期金利の低下を促せば、ハイテク株中心の反発につながるだろう。

まず13日に発表される米国の8月の消費者物価指数(CPI)がカギだ。食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.2%上昇が市場の予想。前年同月比の上昇率は7月の4.7%から4.3%への低下が見込まれている。続いて14日発表の米小売売上高の市場予想は前月比0.1%増と、前月の0.7%増から伸びが大幅に鈍化する見込みだ。予想通りの低調な数字となれば、来週19日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ見送り観測が高まるだろう。

14日には欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。利上げ継続か、据え置きか、市場の見方は割れている。こちらも来週のFOMCを前に市場の注目度は高い。

先週、株式市場は比較的大きな調整を入れたが、今週は予想通りに米国の経済指標が弱含み、長期金利が低下し、そしてECB理事会が利上げを見送れば、リスクオンとなるだろう。しかし、いずれにせよ週央の米CPI発表までは模様眺めとなりそうだから、反発があっても週後半となるだろう。

そのほかではアップル[AAPL]の新製品発表会が12日に開かれる。そこではiPhone15と次世代Apple Watchが披露されると予想されている。新たな米中対立懸念からアップルの株価は下落しており、このイベントを契機に巻き返しが図れるか、注目したい。

イベントと言えば、内閣改造が13日に予定されている。首相は優先すべき課題として経済対策をあげた。9月中に物価高対策や賃上げ促進などを目的とした経済対策を指示する方針だ。あまり期待はできないが、もしも大胆な政策が示されるようだと日本株の買い材料になるかもしれない。

為替介入は波乱を呼ぶ可能性があるが絶好の押し目

波乱に警戒するとすれば為替介入だ。神田財務官などから円安をけん制する発言があり、市場の介入に対する警戒感が高まっている。ガソリン価格の高騰もあって「悪い円安論」が語られるなかでは、介入しても効果は限定的だとわかっていても、「政府もがんばっている」姿勢を見せる必要から、介入がいつあってもおかしくない。一時的な円高で株価が下落するリスクには備えておきたい。無論、そのような人為的な操作で下げる相場なら、絶好の押し目買いチャンスである。

予想レンジは3万2300円~3万3500円とする。