吉田恒の為替デイリーの記事一覧
チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
毎営業日更新
【為替】1990年とはかなり違う1米ドル=160円の意味
1990年以来の1米ドル=160円まで米ドル高・円安が広がってきた。ただ同じ160円でも、1990年と今ではその意味がかなり違う。それについて今回は、5年MA(移動平均線)、そして購買力平価との関係を中心に考察してみる。
【為替】協調介入は円安阻止の絶対条件ではない
「円安が止まるためには日米の協調介入が必要ではないか」と聞かれることがあるが、今回の場合は不要だろう。
そもそもこれまで円安、円高の基調転換に協調介入が関わった例は少ない。今回の場合は、事実上の円独歩安の問題なので、米ドル高阻止の協調介入は不要だ。
【為替】為替介入で円安が止まる可能性
鈴木財務相は4月23日の国会答弁で、円安阻止介入を念頭に「環境が整ったのかということについては、そう捉えられてもいい」と述べた。では実際に介入が行われたら、円安が止まるのかについて、今回は考えてみたい。
【為替】円安150円超、2023年と2024年は違う
2024年は3年連続で1米ドル=150円を超える円安となった。ただ、この円安の理由は、2023年とは大きく異なることをまず確認する。
その上で、「為替の動きは説明できない」といった声を聞くことがあるが、ここまでの動きを過去の似た動きでほぼ説明できることも再確認してみたい。
【為替】「米利下げ=円高」の行方は株安が鍵か
NYダウが3月末に記録した高値から5%以上下落するなど株安が少し広がってきた。代表的な景気の先行指標でもある株価の下落は景気の先行き減速の目安になる。
円高へ大きく戻すためには、大幅な金利差円劣位の縮小が必要でその鍵を握るのは米利下げ。そんな米利下げと株安の関係を確認してみる。
【為替】米ドル高阻止「日米韓協調」の舞台裏
4月17日、日米韓の財務相は円安とウォン安に深刻な懸念を示し、米国もそれを認識する異例の共同声明を発表した。実質的な米ドル高阻止での日米韓の協調のようだが、その舞台裏について考えてみる。
【為替】G7が懸念した過剰な円売り傾斜のリスク
2007年は、大幅な金利差円劣位という圧倒的に円売りに有利な状況の中で、投機円売りが空前規模に拡大した。当時のG7では、過剰な円売りへの傾斜リスクが確認されていた。
最近の構図は2007年と基本は同じだろう。その上で2007年と異なり、「行き過ぎた米ドル高・円安」となっていることから介入の可能性が注目されている。
【為替】1985年よりも2007年に類似している2024年の円安
先週(4月12日)、鈴木財務相は「G20(20ヶ国財務相会議)で米ドル高懸念を議論も」と述べた。G20などの国際会議で米ドル高問題が議論された代表例は、やはり1985年G7(7ヶ国財務相会議)プラザ合意だろう。ただ、当時と最近では米ドル高・円安の置かれた状況がかなり違いそうだ。
【為替】日本+新興国の米ドル売り協調介入?
米ドル高は、対円に加え、最近にかけて韓国やブラジルなどに対しても問題になり始めた。
今週のG20等の国際金融会議では日本及び一部の新興国に対する米ドル高の問題と、その是正策について検討される可能性も注目されている。
【為替】金利差から投機主導に変わった円安
CFTC統計の投機筋の円売り越しは、先週、2007年以来の大幅な記録となった。2007年は大幅な金利差を主な背景に「円売りバブル」が発生した年だったが、最近も似た構図が展開しているようだ。
投機の円売りに主導されて、金利差からの円安のかい離も目立ってきた。
【為替】円安値更新後の行方を考える
4月10日、米ドル/円はこの間の米ドル高値・円安値の151.9円を大きく更新してきた。では、米ドル高・円安はどこまで広がるのか、米ドル安・円高に大きく戻すためには何が必要かについて考えてみる。
【為替】2007年・円売りバブル時代の検証・前編
CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジション(対米ドル)売り越し(米ドル買い越し)は先週14万枚まで拡大、2013年12月と並んで2007年以来の高水準となった。
2007年は6月に18万枚まで円売り越しが拡大。突出して行き過ぎた円売り、「円売りバブル」が展開した年だった。2007年の「円売りバブル」と、その後それがどのような終わりを迎えたかについて、前後編2回で検証する。
【為替】記録的に拡大する投機円売り・前編
投機筋の円売りが急拡大している。CFTC統計の投機筋の円売り拡大の代表例は2013年、2007年などで、前者はアベノミクス円安局面、後者は大幅な金利差円劣位の局面だ。最近の円売り急拡大は2007年に近い構図で起こっている可能性が高いだろう。
大幅な金利差円劣位を受けて圧倒的に有利な円売りは、基本的には金利差円劣位の本格的な縮小見通しが出るまで続きそうだ。ただ循環的に円買い戻しが拡大するケースもある。前後編2回に渡り、投機筋の円売りの理由と買い戻しへの転換について考察する。
【為替】米利下げ期待見直しと米ドル/円への影響
米利下げ期待の見直しが広がっている。予想より強い米景気、米国株高が続いてきたことと利下げは、そもそも共存するものではないので当然だろう。
米利下げ期待の見直しが、株や金利への影響を通じ、米ドル/円にどう影響するかについて考えてみる。
【為替】4月初めに潮目が変わる為替アノマリー
米ドル/円には、3月末・4月初めに「潮目が変わりやすい」というアノマリーがある。誰もが当然と思ったトレンドが、明確な理由がない中で急に変化するという現象だ。
その代表例として筆者に強い記憶として残っている2004年3月末の相場を振り返りながら、今回はこのアノマリーが機能するかも考えてみたい。
【為替】投機主導「金利差からかい離の円安」
米ドル高・円安の日米金利差からのかい離が広がっている。金利差以上の米ドル高・円安をもたらしている一因は投機的円売りの拡大だ。
大幅な金利差を受けた投機主導の円安の構図が鮮明になっている。
【為替】「投機vs介入」のイマジネーション
円安阻止介入再開となった場合の展開について、過去の事実などをもとに想像してみる。 あくまで「想像(イマジネーション)」なので、現実に存在する機関や人物の役割も想像に過ぎない。