取材先に頼まれて、自分の昔の写真を引っ張り出してきました。恐らく小学校1年生の時の写真は、あどけないみそっ歯で笑っています。高校3年生の時の写真は、運動会の写真で、ガクランを着てタスキを背負い、厳しい顔で下級生に向かって何やら檄を飛ばしています。私にとっては懐かしい写真で、どう見ても自分自身なのですが、会社の周りの人達は「全然分からない。ホントに社長ですか?」と言います。小学生の写真なら兎も角、高3の写真は十分に面影があるように思えるのですが、そうは映らないようです。
よく考えてみると、自分にとって最も馴染みのある顔は自分の顔で、内面の変化も自分自身のことでよく分かっていますし、顔の変化も連続的に毎日見ているので、実際には大きく変化していても、自分としてはその変化にも気付かず、違和感も感じないのでしょう。しかし他人から見ると話は大きく違ってきます。
これからも私は私の顔を毎日見ていくでしょう。そしていい方向に顔つきが変わっていっても、悪い方向に崩れていっても、自分では所謂「ゆでガエル」のようなもので、その変化に気が付かないでしょう。これは恐いことです。毎月定点観測的に自分の顔を撮って、客観的に見較べると面白いかも知れないと、そんなことを思いました。