株価は更に上げて、日経平均は15421円60銭で引けました。何処までもグングン行くような勢いです。一方、円は更に安くなり、1ドル120円を超えています。「日本売り」などと言われ、株安、円安が同時に起きた時期もあることを考えると、お金の流れは全く新しくなった感があります。日本株が買われる→お金が海外から日本に流れる→円高になる、という構図は成り立っていません。これは我が国の金利と関係があるでしょう。景気はかなり回復してきており、物価も上がり始めているように見えますが、日銀は引き続き超低金利政策を維持しています。要は、我が国の経済の実力に比して、低すぎる金利政策がとられている可能性があります。
超低金利は企業活動や業績にいい影響をもたらし、株価も上がり、実際に海外投資家からの資金も大きく流入しているでしょう。しかし一方で、実力に比して低すぎる金利の結果、例えばアメリカの金利との差が広がりすぎ、日本の機関投資家による米国債購入が大規模に行われている筈です。その結果、「株高なのに円安」が進行しています。
違う切り口で見ると、日銀が超低金利政策を維持している間は、預貯金は減らして、日本株や外貨を買うのがトクであるとも言えます。低い預金金利が銀行の業績を大幅に助けている訳ですから、銀行株を買っておかないと損であったとも言えるでしょう。こういう連関をよく考えることは、投資をしていく上で大切なことだと思います。