私は駄菓子が好きです。小さい頃はよく駄菓子屋に行って、くだらないものを買って食べていました。駄菓子の駄は駄馬の駄ですから、さしずめ出来の悪い菓子といったところでしょうか。
ヨーグルという、ヨーグルトもどきの妙な乾物や(木枯し)紋次郎イカが印象に強く残っていますが、定番としては飲まないラムネ、オレンジガム、小さな箱に入った酢昆布、タバコ風チョコなどもありました。しかし私の中で、駄菓子中の”駄”菓子、もっともくだらない菓子と云えば、それは「ふ」でした。漢字で書くと「麩」、ふ菓子とも云います。あのやたら軽く、口にもごもごして、滅法安い、鯉のエサを何故か人も食べるといった感じのするくだらない菓子。それが私の「ふ」のイメージでした。
そんな頃、エリザベス女王が来日しました。NHKのニュースを見ていたら、「女王陛下は”おふ”を召し上がりました」と云うではありませんか!私の中での大きな大きなカルチャー・ショックでした。駄菓子恐るべし。
しかし「ふ」なら自分だって食べたことはある。しかし何故あの「ふ」を女王陛下に差し上げるのだろう?この感動と疑問を親に云うと、親は笑うだけでした。私が自らの無知を知るには、それから数年を要するのでした。今では懐かしい思い出です。
追伸:今日も出前のそばのゆで卵はダブル目玉でした。おそば屋さんはまさかつぶやきを読んでいるのでしょうか?!