以前にも書いたことがありますが、日経新聞の商品面は私のお気に入りです。鉄、肉、ガソリンなど、生活に身近な分かり易い題材ですが、それらの値動き、またどうしてそうなるかの理由を通して、日本に限らず、世界の動きを読むことが出来ます。最近ではやはり、中国の産業国家建設に伴う、鉄を中心とした社会基盤材料の需要の上昇が大きなテーマとなっています。中国は鉄を溶かすための石炭も、かつては輸出国であったのに、最近では輸入国になったとも聞きます。世界全体の景気循環の上昇も背景にして、このように材料需要が高まると、当然材料産出国の通貨−これをコモディティ通貨と呼ぶことがありますが−も安定し、強くなりがちになります。材料を買うためには、材料産出国の通貨が必要だからです。豪ドルの値動きなども、(直近では売られてはいますが、)これらのことを理解しないといけません。たまには商品面を読んでみると面白いですよ。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。