デフレは止まったのか?よく議論されるテーマです。私は既にデフレは止まっていると思っています。消費者物価指数は前年同月比で0.1%とか0.2%の下落が続いていますが、要素を見るとPCが29%下落などあり、その実態は複雑です。PCの場合、1年前の製品と同等の性能の製品の価格をもって変化率を計るので、技術革新がある分野ではどうしても下がりがちになります。おにぎりなどでも、高級おにぎりが出現しても、物価の変化の計算上は去年と今年と同じクラスのおにぎりで比較しますから、商品・サービスの革新・改善努力のある分野では、どこも物価指数は下がりがちになります。そういった革新が起きていることはいいことであるのに、皮肉なことにデフレは止まっていない、と云われてしまいます。しかしこれらの「指数足枷」を外して考えれば、実力ベースでは物価は既に上がり始めているのではないでしょうか。コンビニでも、最初に売り切れるのは高級おにぎりです。気を付けなければいけないのは、仮に物価が下がっていても、全体の支出が増えていれば、経済は成長していると云うことです。社会構造が変わっていく時には、かつて使われた指標が意味をなさなくなる時がある筈です。今は、そういったことに丁寧に注意を払うべきでしょう。