「悲観は気分、楽観は意志」と言ったのは小泉首相ですが、そもそもの性格として、楽観的な人と悲観的な人というの分かれると思います。金融の世界で言うと、株のトレーダーなど株式関係者は楽観的な人が多く、一方債券トレーダーは悲観的な人が多いものです。私は元々債券の世界にいて、今は主に株の世界にいますが、性格としては常に楽観的だったと思います。このように人の性格はそんなに変わるものではありませんが、それでも様々な環境の中で、楽観的な時と、悲観的な時という状態の変化はあります。ところで重要な判断をする時に、自分が楽観的であるか、悲観的になっているかを自己観察することは有意義なことだと、最近考えるようになりました。世界史を紐解いてみると、人は悲観的な時に極めて重大な誤判断をしがちなのではないかと思います。戦争などの重大政治的判断などにその傾向を見る気がします。通常の判断は、ワースト・ケース・シナリオも考えて行動すべきだと思いますが、重要な判断であればあるほど、自らが楽観的な心理状態にあること、少なくとも悲観的でないことを確認すべきだと思っています。悲観は脳活動を萎縮し、想像力を低下し、多くの選択肢を用意できない中で判断することに繋がるからでしょうか。