昨日は装丁についてつぶやきましたが、そこでもちょっと触れた「活字」について、もう少し考えてみました。かつて−昭和30年代頃まで−の活版印刷に使われていた活字は肉厚で味のあるものでした。単にカタチが美しいだけでなく、情感というか、文字情報以外にも何かを伝達する力が−或いは雰囲気が−あったと思います。しかし昨今は、本の活字が写植で素っ気なくなったばかりでなく、一般にデジタル化が進み、手紙もワープロ、ニュース情報もネット上であくまでも「テキスト」として摂取することが増え、中には文学作品もネットで先ず展開というのもあります。要は文字情報のほとんどが味のないテキストになってしまった訳です。そうなると、そういう文字ばかりを読んで育つ現代っ子は、表現方法とか表現内容も淡泊になっていくのでしょうか?或いは逆に、見た目で表現できる部分が減るだけ、表現方法・内容は多彩に、且つ濃くなっていくのでしょうか?3年ほど前に「行間」というつぶやき(2001年4月12日−マネログでも、サイト内検索でも、簡単に探せます)を書きましたが、この文字や語彙と表現の関係は、何とも複雑なものです。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。