今朝の日経新聞の商品面によると、鳥肉の値段が暴落しているらしい。輸入ブロイラーの卸値は、代表的な銘柄であるブラジル産の東京地区卸値で前週比9%安。海外で鳥インフルエンザが発生している間は、タイ産・中国産の輸入停止などで国産品の値段は騰がっていたらしいのですが、国内でも鳥インフルエンザが発生するに至り、全般に鳥肉の購入意欲が減退し、国産もも肉の値段もピークだった年初に比べて23%も下落したそうです。これはかなり激しいボラティリティー(価格変動性)です。人の心理というのは面白いもので、牛肉はアメリカで狂牛病が発生しても、逆にこぞって「最後の牛丼」を食べに行った訳で、或る意味で行動パターンに一貫性がありません。需給が価格を大きく上下させる訳ですが、その需給は、大概供給サイドの変化は客観的な理由があるのですが、需要サイドは心理によって、しかもかなり気紛れで合理的でない心理によって大きく変化します。株式市場も、鳥肉・牛肉市場も、その値動きの原理は一緒です。常に心理のあやを読むことが重要ですね。(鳥肉の値段は、いずれ必ず騰がってくるでしょう。)
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。